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｢Aちゃん、ここの符号逆じゃない？｣
『え？』
｢あとここ！割り算ミスってる！｣
２人に言われて自分の数字を確認する。
…あ、ほんとだ。計算ミスなんか久々にした。
まぁ私だって機械じゃないんだからミスくらいするか。
適当に訂正して次の問題に移る。
その時、ポアロの扉のベルが鳴り、聞き慣れた声が耳に入ってきた。
｢梓さん、小麦粉買ってきましたよ｣
｢あ！ありがとうございます！｣
振り返れば、買出しに行ってたらしい降谷さん…というか安室さん。
蘭ちゃんと園子ちゃんがバッと私を見る。
彼女達の中では私は安室透の恋人なのだ。とりあえず苦笑いを返しておいた。
店の奥のボックス席に座っている私たちに気づいた彼がこっちを見る。
そして笑顔を浮かべてお決まりの言葉を言おうとした。
｢いらっしゃいま──｣
しかし、その言葉は私と目が合った瞬間に途絶えた。
ついでに笑顔まで消える。彼は揃って不思議そうにしている私たちの方へツカツカと歩み寄ってくる。
その目は確実に私だけを捉えていた。
え、なになになに。いきなりどうかしたんですか！？
固まっている私の手首を彼が掴む。
そして一気に近づいた顔に、蘭ちゃんと園子ちゃんが小さく声を上げた。
彼は、じっと私の顔を見つめて、口を開いた。
｢……熱ありますよね？｣
『……はい？』
そのセリフの意味を理解するのに随分時間がかかった。
頭の中で文字だけを回しているうちに彼が私の額に触れる。
手冷たいな、なんて思っていれば、彼の表情が一気に険しくなった。
あ、今の顔、降谷さんだ。
｢梓さん、すみません僕もう上がりますね。この子送ってきます｣
｢えっ！あ、はい！｣
『え？熱？』
｢ほら、帰りますよ｣
混乱しているうちに腕を引っ張られ、急に体が浮いた。
一拍遅れて抱えあげられたことに気がつく。
…は！？なんで姫抱き！？
『ちょ、ちょっとあむ』
止めようとすれば鋭い睨みが降ってきた。
大人しくしてろと目が言ってる。怖すぎる。
顔を上げた彼は、しっかり安室スマイルを浮かべてから扉を閉めた。
ドアの向こうで
｢蘭、気づいてた？｣
｢全然…｣
｢一目見るだけで気づく安室さんって…｣
｢すごいね…｣
｢愛の力ね…｣
なんて会話がされていたことは、知る由もなかった。
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紅个 - 面白いです！ 頑張ってください。 (7月18日 9時) (
レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
紅狐 - ◎ (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
紅湖 - 面白い (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - はい！降谷さん格好よく書けてます！！大好きです！！良かったらボードで話しませんか？降谷さん語りましょう！！ (2019年4月8日 16時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 1さん» ありがとうございますー！続編でも頑張りますね！よろしくお願いします！ (2019年4月5日 21時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2019年3月3日 21時
