45:ジェラート ページ46
蘭ちゃん達は、テスト前になるとよくポアロで勉強しているらしい。
そういえばいつかのテスト前も会ったなと思いながら、今更やらなくても解ける数式をノートに書き進める。
今日からテスト期間。「小日向先生!数学講座やって下さい!」と鈴木さんに言われ、私達はポアロで勉強会をしていた。
「ねぇAちゃん、ここってなんでこうなるの?」
『えっと…この公式を変形させてるだけだよ』
「あ!ほんとだ!ありがとう!」
苦手な数学の問題を悩みながら進めていく蘭ちゃん。
無事に答えまでたどり着いたことを確認してから自分の問題に戻る。
と、そんな時、前方から視線を感じて顔を上げた。
前に座っていた鈴木さんとバチッと目が合う。
どうやら少し前から見られていたらしい。気が付かなかった。
…?どこかわかんないとこでもあったかな。
そう聞こうとしたが、しかし口を開いたのは彼女の方が早かった。
「蘭も世良ちゃんも気づいたら小日向さんのこと下の名前で呼ぶようになってたよね!?」
『「え?」』
「ずるい!私も小日向さんのことAちゃんって呼びたい!」
いきなりのその言葉に目を瞬かせる。
そういえば、鈴木さんとはまだ苗字で呼びあっていた。
「ね!私のことも名前で呼んでよ!」
『え、えっと、』
人懐っこい笑顔で笑う鈴木さん。
なんだか改まって言われると少し気恥しい。背筋を正して彼女と視線を合わす。
えっと…鈴木さんの下の名前は…
深呼吸してから、その名前を口にした。
『…っそ、園子ちゃん』
「うん!Aちゃん!」
小日向グループよりずっと大きな鈴木財閥の娘さんなのに、本当に良い子だなぁと素直に思った。
お金持ちが集まる場に連れていかれることは何度かあったけど、こんなに素敵なお嬢様はいなかったように思う。
この場が暑く感じるのは気分が浮ついたせいだろうか。
今日はそんなに気温も高くないはずなんだけど。
小さく息をついて解答を開く。
そして目に入った数字に、『あれ?』と首を傾げた。
「どうかしたの?」
『いや…答えが…』
自分の答えと解答の答えが違う。
おかしいなぁ…数学の問題で間違えることなんてほとんどないはずなんだけど。
しかもこんな高校用の問題集で…これ解答が間違ってるんじゃない?それか見るとこ間違ってたかな。
問題番号を照らし合わせて、間違いないことを確認してまた首を傾げる。
すると、私のノートを覗き込んだ蘭ちゃんが言った。
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紅个 - 面白いです! 頑張ってください。 (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
紅狐 - ◎ (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
紅湖 - 面白い (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - はい!降谷さん格好よく書けてます!!大好きです!!良かったらボードで話しませんか?降谷さん語りましょう!! (2019年4月8日 16時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 1さん» ありがとうございますー!続編でも頑張りますね!よろしくお願いします! (2019年4月5日 21時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2019年3月3日 21時