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かくかくしかじか殺人事件があってと降谷さんに説明すれば、私と彼が付き合ってることになってる理由も把握したのだろう。
彼はなるほど、と零してから答えた。
「そうですね、着信履歴を見ればわかると思いますが、確かに彼女は僕と電話で話していましたよ」
「合宿中にかけてくるなんて緊急の用でもあったのか?」
「実は合宿は明日からだと思ってたので授業中とは知らなかったんですよ。特に用があったわけでもなくて、ただ僕が声を聞きたくて」
キャー!!とまたしても背後で黄色い歓声が上がった。
勘弁してよ…
振られたばっかなのにこの仕打ち。自業自得だけど結構辛い。なんの為に髪を切ったんだか。
さすが降谷さんは柔軟に対応していてすごいな、と素直に感心する。
なんにせよ世良さんの疑いの目は私から外れた。
ちょうど警察が到着したのもあって、輪の中から抜けて場を離れ、繋いだままの通話に戻った。
『ほんっとすみません降谷さん…』
「いいよ、どういう経緯でこうなったかは想像つくし」
『夏休み明けには別れたことにしときますので』
「そしたら俺が蘭さんや園子さんに睨まれるからやめてくれ」
それもそうか。
なら皆の前ではしばらく恋人同士の振りをしなきゃなのか…喜んでいいのかなんなのか。
「それより事件の方は大丈夫そうなのか?」
『あー、いま別のところにいるのでどうだか…降谷さん解きます?状況説明しましょうか?』
「いや…世良真純がいるんだろ?なら俺の出る幕もなさそうだ」
それについては同感だ。そうですね、と返して部屋へと入る。
事件が気にならないわけじゃないけど、今のうちに終わらせたいことがあるのだ。
『降谷さん、さっき頼まれた案件なんですけど…』
「あぁ、どうだった?」
そこからは切り替えて仕事のお話。
パソコンを開いて伝えるべきことを伝えていく。
あらかたのことを話し終わり、「犯人確保されるまで気をつけろよ」という言葉で通話が終わった。
…さて、みんなの所まで戻るか。
携帯を仕舞ってパソコンを片付けてドアノブに手をかける。
しかし、私が開ける前にその扉は動いた。
「あ、ここにいたんだね小日向さん」
ドアを開けたのは世良さん。もしかして私のこと探してたのだろうか。
『どうかした?』
「うん、ちょっと頼みたいことがあって」
世良さんは探偵特有の鋭い目つきのままで言った。
「容疑者達の中に調べて欲しい人がいるんだ」
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紅个 - 面白いです! 頑張ってください。 (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
紅狐 - ◎ (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
紅湖 - 面白い (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - はい!降谷さん格好よく書けてます!!大好きです!!良かったらボードで話しませんか?降谷さん語りましょう!! (2019年4月8日 16時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 1さん» ありがとうございますー!続編でも頑張りますね!よろしくお願いします! (2019年4月5日 21時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2019年3月3日 21時