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『最近の降谷さん、あの毛利さんとこのガキンチョにえらくご執心じゃないですか?なにかあるんです?』
「…別に」
誤魔化すように目を逸らしてモンブランを口に入れる。
想像以上に甘くて一瞬動きを止めた。
Aの方はもう何個目かわからないケーキを食べている。よくそんなに食べれるな…
彼女は深く聞く気はないらしく、目を細めてストローを噛んだ。
『あの子どこか気に食わないんですよねえ。
いつも定期テストで私と張り合ってるいけ好かない男子と似たなにかを感じる』
「お前一位じゃないのか?意外だな」
『一位ですよ失礼な!同率なだけです!ていうか最近そいつ学校来てないんで正真正銘一位です!
だから逆に腹立つんですよ!どこで何してるんだあいつ!』
「俺に言われても知らねえよ」
とりあえず甘いものを与えておけば大人しくなるだろうと、その口にティラミスを押し付ける。
なんだか鳥に餌をやってる気分になってきた。
しかしAはまだまだピーチクパーチク鳴いている。
『あーあ、降谷さんの協力者は私だけだと思ってたのになぁ。ていうか公安の協力者の最年少は私だと思ってたのになぁ。小一にかっさらわれるとはなぁ』
「いやコナンくんに手伝ってもらったのはあの時だけで…」
『でもあの事件でのあなたの協力者は私じゃなくてあの子だったんでしょう』
「はいはい妬くなよこれくらいで」
『はー!?調子に乗らないで下さいそんなんじゃないで…っむぐ』
イチゴのミルフィーユでその口を塞いだ。
そろそろ周りの目が痛い。
俺たちってどういう関係に見えてるんだろうなぁ…兄妹にでも見えるのだろうか。
手元のアイスコーヒーの氷がカランと音を立てる。
その方へ目を向けたまま、彼女に言った。
「…心配しなくたって俺の1番の協力者はAだし、Aが思ってるよりも俺はお前を頼りにしてるさ」
『へ…』
大きな目が見開かれて、長い睫毛が数度上下する。
じわじわと白い頬に赤色が混じり出した。
…そんなに照れるのかよ。
想像以上の反応に言ったこっちが恥ずかしくなってきて黙って目を逸らす。
しかし、彼女は数秒置いてから一転、またじとっと俺を見つめた。
『…降谷さん』
「なんだ」
『面倒くさいなこいつって思ってるでしょ』
「はは、バレたか」
『あーもーやっぱり!私そんなにチョロくないですからね!』
頼りになる協力者は、俺より一回りも下の女子高生である。
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紅个 - 面白いです! 頑張ってください。 (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
紅狐 - ◎ (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
紅湖 - 面白い (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - はい!降谷さん格好よく書けてます!!大好きです!!良かったらボードで話しませんか?降谷さん語りましょう!! (2019年4月8日 16時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 1さん» ありがとうございますー!続編でも頑張りますね!よろしくお願いします! (2019年4月5日 21時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2019年3月3日 21時