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｢Aは足がつくようなヘマはしないはずだ。
だから可能性があるとすれば…｣
安室さんはそこで言葉を切って、しばらく考えるように黙り込む。
続く言葉を待っていれば、やがて彼はポツリと零した。
｢…Aは、数年前まで公安の保護下にいたんだ｣
｢え…？｣
｢あの子の両親は、何者かによって殺された｣
｢な…っ！｣
初めて知る事実に目を剥いた。
殺された…！？
確かにAの両親はもうこの世にいないとは聞いた。本当は小日向グループ本家の娘ではないのだと。
なら、彼女の本当の両親は一体…
｢Aお姉さんのお母さんとお父さんって、何者なの…？｣
｢普通の主婦とサラリーマンさ。表向きはね｣
含みのある言い方だ。それなら裏は…
｢ハッカーだよ。凶悪なほど腕の立つ、ね。
証拠はないからただの公安の憶測にすぎないが、Aのハッキングの技術を見て確信したよ。
あの子の異様な知能と才能は親譲りだ｣
息を呑む。
信じられないようなことだけど、どこかストンと胸に落ちた。
あぁ、なるほど、と納得している自分がいる。
天才という言葉が似合いすぎる彼女の親が、公安にそれほどまで言わしめる人だったのなら合点がいく。
｢裏の世界ではそれなりに有名だったんだ。
あの子の両親は全くもって公安と繋がっていなかったけれど、不正を働いてる企業やテロ組織のシステムに片っ端からウイルスを送り込んでいた。
当然恨みも買いやすかっただろう。どこかから身元がバレて、殺された。その可能性が高い｣
｢それでAお姉さんは公安の保護下にいたの？｣
｢さっきも言ったけど、Aの親がそのハッカーだという証拠はないんだ。
だから保護といっても定期連絡くらいの軽いものだったし、期間は10年。Aの中学卒業までだった｣
｢…けど、Aお姉さんの両親のことを知ってる奴らが今度はAお姉さんを狙ってる可能性がある…？｣
｢………｣
押し黙った安室さんの横顔には焦りが滲んでいる。
もしも本当にそうならかなりまずいのではないだろうか。
しかし、安室さんはそこでスマホを一瞥して言った。
｢けど、Aのポケットの中の発信機にすら気づかない間抜けな奴らがそんな情報を知ってるとは考えにくい｣
｢え｣
｢だから、もっと現実的に考えると誘拐犯の狙いは…｣
そこで安室さんのスマホがバイブにより通知を告げる。
それを確認した彼は、ここにきて口の端を上げ、｢やっぱりな｣と呟いた。
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紅个 - 面白いです！ 頑張ってください。 (7月18日 9時) (
レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
紅狐 - ◎ (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
紅湖 - 面白い (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - はい！降谷さん格好よく書けてます！！大好きです！！良かったらボードで話しませんか？降谷さん語りましょう！！ (2019年4月8日 16時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 1さん» ありがとうございますー！続編でも頑張りますね！よろしくお願いします！ (2019年4月5日 21時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2019年3月3日 21時
