after 3：ツバキ ページ35
『お、工藤青年じゃん』
｢あ、Aさん｣
たまたまポアロで新一くんと遭遇した。
彼とは割とよく本屋で会っているのだが、ここで会うのは何気に久しぶりだ。
ペコリと会釈した新一くんにここ座りなよ、と前の椅子を指さす。
彼は失礼します、と礼儀正しく答えて座った。
コナンくんだった時はガッツリタメ口聞いてたくせに高校生に戻った途端一丁前に敬語を使いやがるのだ。
『今日は蘭ちゃんは一緒じゃないの？』
｢蘭は空手の試合が近いんで｣
『そっか、なるほど』
こちらのカップルも無事一緒にいられることになって本当によかった。
いつものようにコーヒーを頼む新一くん。
そんな彼に私は頬杖を付き、ニヤニヤしながら問いかけた。
『で、君らどこまで行ってんの？』
｢えっ｣
ピタッとおしぼりを開ける手を止めた名探偵。
いやぁだって気になるでしょ。
新一くんって家もすごかったし育ち良さそうだしさ。蘭ちゃんも純情そうだしね？
『流石にキスまでは終えてると見た』
｢いや、ちょ…え！？今日恋バナするんですか！？｣
『はぐらかすということは図星だな？』
｢べっ別にそういうわけじゃ…！｣
そう言いながらも彼はみるみるうちに赤く染まる。これでは肯定してるも同然だ。
ひえ〜初々しい。高校生って感じ。
私は半目でうわーと声を漏らして言った。
『甘酸っぺ〜〜〜』
｢からかわないでくれます！？｣
『いいなぁ私も送りたかったな〜そんな青春』
私のそんな言葉に、新一くんは赤い顔のままで意外そうに目を瞬かせる。
｢Aさんくらい美人だったら告白されまくりだったんじゃないですか？｣
『まぁそれはそうだけどね。
特に好きな人も出来なかったし結局大学含めて学生時代に色めいた話はなかったよ』
｢えっっっ｣
え、めちゃくちゃびっくりするじゃん。
そんなに意外か？
しかし彼は私が思っていたこととは少しズレたことで驚いていたらしい。続けられた言葉に今度は私がびっくりさせられた。
｢じゃあ降谷さんが初恋なんですか…？｣
『えっっっ』
え、……え？ちょっと待ってそうなるの？
あれ、ほんとだ、だって降谷さんが初めて本気で好きになった人で…え、初恋？
いきなりそんなふわふわした言葉で表現されて顔に熱が集まる。
いや、だってそんな、別にそんな可愛いもんじゃ…！
一気に真っ赤になった私に、新一くんが仕返しと言わんばかりにうわーと漏らした。
｢甘酢っペ〜〜｣
『う、うるさいな！！』
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びびか(プロフ) - この作品の作り込みが凄すぎて本当に好きです。。素敵な作品に出会えて良かったです！ありがとうございました！ (2023年3月27日 20時) (
レス) @page32 id: b527a1d6e3 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 想像するだけでこっちが照れてくる (2021年12月7日 15時) (レス) @page30 id: 9e519c38d5 (このIDを非表示/違反報告)
よる - ほぉ…これが降谷さんとの至高の領域だな？？？ちょっと最上級の語彙力調達してきますね？手持ちの語彙じゃこの素晴らしさは語れないので！！！！ (2021年4月30日 23時) (レス) id: 6e0ab3a00d (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - あむむさん» 完結してからしばらく経ってるのに見つけてくれてありがとうございます…！！そんなに褒めて頂けるなんて嬉しすぎて私の心臓が取れます…！25機も消失してご無事ですか！？笑 最後まで読んで下さりありがとうございました！！ (2018年11月9日 17時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
あむむ - 初めまして。どうにもこうにも我慢出来なくてコメント失礼します！泣きましたキュンキュンしました心臓取れました辛すぎましたその文章力に脱帽しました！25機くらいは消滅しました…！完結おめでとうございます。お疲れ様でした！ (2018年11月8日 21時) (レス) id: eaf01be664 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年9月21日 21時
