顔が良ければ全て良しだと思うなよ！！ ２【降谷零/安室透】

061：アネモネ ページ16

聞くところによると、昨夜はコナンくんが公園で私を発見。

少し話をしたところで私が眠ってしまい、赤井秀一を呼んでここに運んできたらしい。

うわ…めっちゃ迷惑かけてんじゃん…


『大変失礼致しました…』

｢ううん、Aさんこそ二日酔い大丈夫？｣

｢はい、大丈夫です…｣


ほんとはなかなかにきついけど完全に自業自得である。

酔って公園で寝るとか大分やばいでしょ。なにやってんの私。

昨日はあの人の命日だったとかそんなの全く理由にならない。

あまりの自分の不甲斐なさにため息をつく。

コナンくんはそんな私をじっと見て、躊躇いがちに口を開いた。



｢あの、Aさん…｣

『ん？』


そして、まさか聞かれるだなんて予想もしてなかったことを尋ねてきた。


｢Aさんが公安警察だったってほんと…？｣

『は…？』


耳を疑った。まさか昨日酔って変なことを口走ったのだろうか。

混乱する私を置いて彼は続ける。


｢やめたのはどうして？左手が動かなくなったから？それとも…｣


コナンくんは１拍置いて、ゆっくりと言った。



｢“景光さん”が…死んだから？｣

『……っ！？』


心臓がドクンと嫌な音を立てた。

なんでそんなとこまで…！

手が震える。それを隠そうと拳を握りしめる。

ダメだ、動揺するな。

私は２人を睨んで低い声で返した。


『そこの男になにか聞いたの？』

｢Aさん、ボクは…っ｣

『随分と過去の話をするのがお好きのようですね、赤井捜査官』

｢……｣


何も言わない赤井秀一に露骨に舌打ちをする。

一旦落ち着こうと深く息を吐いた。


｢あのね、昨夜Aさんが言ってたんだ。
“景光さんが死んだのは私のせいなのに”って｣

『え、まじか…そんなこと言ってたの…？』


大失態じゃん…酔った勢いで何言っちゃってんの…

コナンくんは慎重に、言葉を選ぶように話を続ける。


｢景光さんって、スコッチって人であってる？
公安警察で組織に潜入してた…｣

『…そうね、あってるよ』

｢じゃあ、Aさんのせいでっていうのは…？｣


…なんだ、そこまでは赤井秀一に聞いてないのか。

なら彼が喋ったのは私の前職とスコッチのことだけか。

コナンくんの視線が突き刺さる。

本当、探偵の好奇心ってやつは手に負えない。

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