question �境将� ページ26
『ちょ、ちょっと安室さん、離し…っうわ！』
よくわからないけどこの態勢はちょっとまずいだろう。
そう思って身をよじりゼロくんから離れようとしたが、しかし彼は更に強く私の腰を抱き寄せた。
より距離が縮まって、それでもゼロくんの視線は彼に突き刺さっている。
彼はその瞳のまま、ようやく口を開いた。
｢…この子に何か御用ですか｣
驚く程に低い声だった。思わずビクリと肩を揺らす。
ゼロくんがこんなに敵意を剥き出しにするなんて、彼は一体誰だというのだろう。
メガネの男性は翠の目を細め、小さな声で呟いた。
｢やはりその子はスコッチの…｣
｢え？スコッチ…？｣
『…お酒？』
いきなり飛び出したお酒の名前に首を傾げる。
あれ、待ってなんでコナンくんは何か知ってるっぽい顔してるの。
もしかしてこの場でなにもわかってないの私だけ？
ちょっとコナンくん私のことガン見してないで教えて。スコッチってお兄ちゃんのこと？コードネームかなにか？
｢この子はなにも関係ない。巻き込んだらダダでは済まさないぞ｣
｢…わかっている、そんなつもりはない。たまたま会っただけだ｣
多分、お兄ちゃんを殺した組織に関係がある人だってことは間違いないだろう。
ゼロくんとは仲が良くないのかもしれないけど…決して悪い人には見えない。
いや、だからって信用していいわけじゃないけれど、でも…
｢驚かせてすみません、失礼します｣
『あ、はい…』
最後に私にニッコリと笑いかけ、彼は踵を返す。
コナンくんは｢あ、待って昴さん！｣と言いながら彼を追いかけていった。
昴さんというのか…本名なのかはわからないけど。
なんにせよようやく張り詰めていた空気から解放され、肩の力が抜ける。
ふぅ…とため息をつけば、ゼロくんはやっと私の腰から手を離した。
そしてその手を私の肩に置き、真正面から目を合わせた。
｢本当になにもされてないな？｣
『え？うん、大丈夫。ほとんど喋ってすらないよ』
｢そうか…｣
彼はホッと息をつく。
…きっとこの場であの人が誰なのか聞いても、ゼロくんは私に教えることはできないのだろう。
無関係な私は知ることすらできない。でも。
私はゼロくんの表情を伺いながら、おずおずと尋ねた。
『…今の人は、悪い人？』
｢………｣
ゼロくんは少し迷う素振りを見せ、結局なにも言わなかった。
肯定しないということは、やっぱり本当に悪い人というわけではないのだろう。
…昴さん、か。
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Leil(プロフ) - うわ、久々に小説でガチ泣きした、、、、2人とも一途すぎんか、、、、そしてあんま関係ないけど相変わらず赤井さんかっこいいな。もうだめだ、読み終わったときのよく分からん喪失感がやばい。読むのが止まりませんでした。これからも頑張ってください！応援してます (2021年8月3日 18時) (
レス) id: 36e4ed7dad (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ゆりあさん» うわーーーん私の方こそ泣きますもったいないお言葉こんなにたくさんありがとうございます！！この感動を文字にできる語彙力がないのがすごく悔しいです…！最後まで読んでくださって素敵なご感想までくださって本当にありがとうございました！！ (2020年3月29日 14時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 体の水分が全て涙として出ていくぐらい泣きました。コメディもあるのに、メロドラマっぽさもあり、きゅんもあり、貪るように読ませていただきました！これからも応援しています！頑張って下さい。 (2020年3月27日 9時) (レス) id: 45a22d77c5 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます！！最後のところはすごく悩みながら書いた記憶があるのでそう言って頂けてとても嬉しいです…！最後まで読んでくださってありがとうございました！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^最後のシーン、すごく感動しました！涙腺崩壊しました！良い作品ですね！これからも、頑張って下さい^_^ (2020年1月18日 0時) (レス) id: 161c6e3e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年11月11日 21時
