溺愛注意報《4》 (ページ7)

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｢父さん…何だよこれ｣

不機嫌な廉くんの声が聞こえ

廉くんの方を見る。

すると廉くんの手には

多分スペイン語で書かれた雑誌が握られていて

表紙には美しい海外美女。

｢廉は女の子に興味が無いからね。

もしかしたら海外美女が好きなのかと思って｣

｢…アホちゃう。息子にこんなもん買ってくんなよ｣

廉くんはその雑誌をゴミ箱に捨て

チッと舌打ちをする。

す、捨て…せっかく買ってきてくれたのにっ…。

でも、少し安心した。

美女の載った雑誌を廉くんが見ていたら

きっとモヤモヤとした

気持ちになっちゃうと思ったから。

わ、私って、心が狭い？

｢あーあ、せっかく買ってきたのに。

廉は本当、いつになったら彼女の1人や2人

連れてきてくれるんだろうか…｣

｢1人や2人っておかしいやろ。

てか、彼女なら…｢2人とも！お腹空いてませんか！？｣

す、ストーップ！！

れ、廉くん、今何言おうとしたのっ…？

慌てて止めた私に

誠さんは少し不思議そうな顔をした後に笑った。

｢ああ、そうだね！

日本食が恋しいと思ってたんだ｣

｢そうなのよ！

向こうではファーストフードばかりだったしね｣

｢も、もうご飯作っちゃったので、食べますか？｣

2人は目を輝かせて、頷いた。

よ、よかった…なんとかごまかせた…。

それにしても、廉くんもしかして

私たちのこと言うつもりだったのかな…？

そ、それは無いよね？

さすがにまだ早いと思うし

廉くんだって分かってるはず。

私の勘違いだよ！

｢すぐに用意しますね！｣

そう言ってキッチンに向かう。

私は、この時気づいていなかった。

廉くんが私を見ながら不思議そうな表情を

浮かべていることに。

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