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「さぁ、乗って」



ちょ、ちょっと待ってください···。



電車通学とはちょっと違うって言ってたけど···

これは何···!?




目の前には1台のリムジン。


は、初めて見た······って感心してる場合じゃなくて

健人さん、これでいつも通学してるんですか···っ!?




普段使われていない裏口から学校を出たので

初めて見るのも無理はない。




「わ、私···電車で帰れますよ···?」



「そんなこと言わずに。

今日は僕と帰ってくれるんでしょ?」



ねだられる様に言われて拒否できるはずもなく

私は恐縮な気持ちで車内に入る。



中はさらにキラキラしていて

車の中とは思えない広々としたスペースに

真っ白な皮のソファ。


煌びやかなテーブルが置かれていて

高級感があり溢れていた。





ど、どうしようっ···座れない···!




「どうしたの?どうぞ座って」



健人さんは不思議そうな顔でそう言って

私を座らせた。



お、落ち着かないっ···。




「け、健人さんはいつもこのお車で

通学してるんですか···?」



「んー、そうだね。基本はクライスラーだけど

たまにリンカーンやキャデラックも乗るかな···。

僕はあまりゴツゴツした車種が好きじゃないから

クライスラーが1番好きなんだ」




く、クライスラー?リンカーンとかキャデラックとか

リムジンの車種なんてさっぱり分からないけど

1つだけ思ったのは···



···健人さん、この車も充分ゴツゴツしてます···。







「あっ···ここです」


その後、もちろん遠慮したのだけど

どうしても送らせてほしいという

健人さんの押しに負け

住所を言って家まで送ってもらった。







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作者名:なっちゃん | 作成日時:2020年7月29日 19時

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