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初恋は中学1年の春。
男の先輩に囲まれているところを助けてくれた
同じクラスの男の子。
当時お父さんのことで男性恐怖症状態だった
私が唯一仲良くしていた。
放課後、図書室で会える時間が私は大好きで───
でもある日
『 Aさんさ、俺が男って分かってる? 』
彼はそう言って図書室から出て行った。
そして次の日
彼はお別れも言わず転校してしまった。
初めて声を聞いた時
どこかで聞き覚えがあると思ってたんだ。
でも名字も違うし、身長だって、見た目だって
すごく変わってたから───。
「黒崎、くん?」
嘘。だって···似ても似つかない。
変わりすぎてて、でもこの声は···
「···っ、覚えて、たん?」
「どう、して···」
「···俺のことなんか忘れてると思ってた」
廉くんは少し苦しそうに
とても嬉しそうに笑った。
「忘れるわけ、ないよっ···!
私、急に転校しちゃったから
もう会えないんだって思って、すっごくっ····」
「ごめんな?
本当に突然決まってさ···離婚が決まってそのまま。
Aにはちゃんと伝えたくて
最後に学校に行かせてくれって頼んだんやけど···
ダメやった」
「そう、だったんだね···」
「てか、俺メガネかけてたしモサかったのに
よう覚えてたな。絶対忘れられてると思ってた」
確かに今とは雰囲気が違った。
けど···
「忘れるわけないよ!初恋だったもん···!」
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作者名:なっちゃん | 作成日時:2020年7月25日 0時