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「おはよう春ちゃん」
「おはよ。今日も相変わらずラブラブね」
「なっ···!ち、違うよ!」
私に手を振って自分のクラスに行った
廉くんを見ていたのか
春ちゃんは目を細めて私を見てきた。
「ま、Aと王子がくっついたら
あたし的には万々歳よ」
「え、どうして···?」
「どうしてってそりゃ···
中島先輩が完全にフリーになるからよ」
「···?」
「あたし、顔は王子の方が好きだけど
中身は中島先輩の方が断然タイプなのよね!
紳士で、優しくて、いつも笑顔で···素敵すぎる!!」
···どうして私と廉くんの話に
健人さんが入ってくるの?
不思議に思ったので聞きたかったけれど
聞くことが出来なかった。
「Aさん」
私の声よりも先に背後から女の子の声がしたから···
わ、私?
振り返ると、そこには女の子が3人。
何やら顔色を曇らせて
私を睨みつけるように見ている。
こ、怖いっ···
「は、はいっ···」
「ちょっといいかな?話あるんだけど」
腕を組んだリーダー格っぽい女の子が
そう言ってくる。
「ちょっと何よ、あんたたち」
「あなたに関係ないでしょ?
私たちはAさんに用があるの」
「はぁ?じゃあ、あたしもついていくわ。
1対3なんて卑怯でしょ?」
「部外者は入ってこないでよ」
何やら私を庇ってくれている春ちゃんと
女の子たちで火花を散らしていて
私は1人アタフタ。
「い、行きます!
春ちゃん、私は大丈夫だから···ね?」
「行かなくていいわよ、A。
こんなブスたち放っておきなさい」
「···っ!誰がブスよ···っ!?」
ああああっ···!
「ご、ごめんなさいっ。は、早く行きましょう!」
教室で乱闘が起こりそうな勢いだったので
私は3人を鎮めるようにそう言って教室を出た。
春ちゃんは心配してくれたけど
笑って大丈夫だから、と言った。
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作者名:なっちゃん | 作成日時:2020年7月25日 0時