永瀬くんは女の子が嫌い、らしい。

＊一つだけ。 ページ31

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｢好きな人に応援されたって全然嬉しくないんやけど｣




彼の言った言葉の意味をすぐに理解することは出来なくて。



頭の中でグルグルと回って。




‥‥どうすればいいのか分からない。





私を真っ直ぐ見つめる永瀬くんの真剣な瞳から目が逸らせない。






｢‥‥あの、えっと｢あぁ！もう！｣






＿＿＿ギュッ





｢Aちゃん、鈍感すぎ｣





またもや、優しい柔軟剤の香りに包まれた。





永瀬くんのことが好きだと気づいた今、近くで感じる彼の鼓動に心臓がうるさいくらいドキドキを音を立てている。






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｢好きやで。Aちゃん｣









私から一度身体を離したあと、優しい笑顔を浮かべた彼は優しい声でそう言ったんだ。






‥‥どうしよう、頭が追いつかない。





だって永瀬くんには他に好きな人がいて‥‥






それが‥‥私なの？






｢俺の好きな人はAちゃんやで。ずっと側にいたいたいって思うのも、一緒に笑い合いたいって思うのも、守りたいって思うのも全部全部Aちゃんだけやから｣





‥‥どうしよう。




そんなこと言われたら泣いちゃうよ‥‥。






｢Aちゃんの正直な気持ち聞かせて？｣






そう言って私の頭を優しく撫でた永瀬くん。





そんなの一つしかないよ。






｢私も永瀬くんのことが好きです｣





永瀬くんのことが好きだって。



大好きだって。





私も永瀬くんの側にずっといたいって気持ちが彼にちゃんと届くように。





永瀬くんの瞳を真っ直ぐ見つめて、大好きって想いを込めて。





｢大好きです。永瀬くん｣

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