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疲れたのか寝てしまった犬を撫でながら待っていれば、Aはすぐに風呂から出てきた。
バタバタと何故か忙しなさそうな足音の後に扉が開く。
『先輩ちょうど雨上がりましたよ！今のうちに行きましょう！』
聞こえたそんな声に犬と共に顔を上げ、思わずギョッと目を剥いた。
｢なん…っ！！お前服くらいまともに着ろよ！！｣
『はい？着てるじゃないですか』
そう言って近づいてくるAにジリジリと後ずさりする。
彼女の服装はタンクトップに短パン。そんな騒ぐような格好じゃないのかもしれないけどだってお風呂上がりだぞ。目に毒すぎる。
濡れた髪から水滴が落ちた。
｢髪くらいちゃんと拭いてから来いよな。本気で風邪ひくぞ｣
『だって雨やんだので早く行こうと…』
｢予報じゃもう降らないから｣
そう言いながらため息をつき、Aの髪をタオルで拭く。
『うわ！』と声を上げたAが眉を寄せてこっちを見上げた。
『子供じゃないんだから髪くらい自分で拭けます！！』
｢はいはい｣
『ちょっと先輩聞いてます！？殴りますよ！？』
ギャーギャー騒ぐ彼女を無視して雑に髪を手を動かす。
血色のいい白い肌に目をやって、すぐに逸らした。
…言うなら今か。
俺は彼女の瞳を見て手を止め、口を開いた。
｢…あのさ、A｣
『なんですか変態ゴリラ』
｢殴り飛ばすぞ｣
『上等ですよ』
この野郎。逸れそうになった話題を咳払いして戻した。
｢幼馴染の委員会の仕事は今日で終わりなんだ｣
『…へ？』
｢だから明日からは俺は幼馴染と弁当を食べる｣
『…あぁ、なるほど』
Aはこっくりと頷く。
そんな彼女に、俺はもう一つ続けた。
｢ってことで幼馴染も屋上に連れて来ていいか？｣
『……はい？』
ワンテンポ置いてAの目がまんまるに開かれる。
ズルリと頭の上のタオルが落ちる。
彼女は少しの間固まって、複雑そうな表情を浮かべた。
『あの…気を使って下さらなくていいんですよ？
そうなると私の方がお邪魔じゃないですか、私は別に１人でも…』
｢そうじゃなくて、俺がAも一緒に食べたいんだ｣
俺の言葉にAは更に目を見開く。
恥ずかしいことを言ってる自覚はあったけど、ちゃんと言っておかないといけない気がした。
彼女は数度瞬きを繰り返し、小さく頬を緩めた。
『もちろんです、明日からもよろしくお願いしますね』
今から思えば、この時から既に俺は自分で思っていたより彼女に惚れていた。
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立夏(プロフ) - 明里香さん» わ〜！ほんとですね！ありがとうございます！！直しておきました！！ (2019年1月22日 0時) (
レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 43話に誤字がありました。「聞こえ気がした」ではなく、「聞こえた気がした」です。 (2019年1月21日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - でねぼらさん» ありがとうございます！可愛く書けたらなと思っていたので嬉しいです！！ (2019年1月7日 0時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
でねぼら(プロフ) - 夢主可愛い降谷可愛い (2019年1月7日 0時) (レス) id: eac5f4ad2f (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - レッド・アイさん» わぁぁ３回も！？ありがとうございます…！！ほんと元カップルっていう距離感の微妙な関係が大好きで…ストライク決められて嬉しいです！！更新頑張ります！！ (2019年1月6日 12時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年12月24日 21時
