3話 ページ4
Aは料理は出来るけれど、それは元はといえば暗殺に使うためにやれと言われただけで。
娯楽を制限されまくった生活でそれくらいしかやることがなかっただけで。
自分で作った美味しいものを食べることくらいしか元気になれる方法がなかっただけで。
つまり何が言いたいかって、料理が出来るからといって家事が出来るわけではないのだ。
ある日ふとその考えに至った俺は、まさかと思ってAの家を訪ねた。
いきなり来た俺に今まで見たことないほど慌てるA。
もうその時点で色々察したが、半ば戦闘になりながら押し入った。
そこで俺が目にしたものは、家具もテレビもなにもないのに服やらゴミやらで散らかりまくった四畳半の部屋だった。
まじでびびった。あそこまで酷いとは思ってなかった。
Aの生活能力は皆無に等しかった。
なんであんな場所で住めてるのかわからない。
本人曰く寝られればいいらしいが、あのゴミ部屋の一体どこで寝るというのだ。
ありえない。もうこれ以上こんなところに住ませていられない。
そう思ってしまうのは自然なことで。
そしてそうとなれば、当然───
『あ、降谷さん！！おはようございますー！！！』
｢うるさい近所迷惑だ｣
──あのバカでかいモーニングコールを自宅で目覚め１発目に聞かされることになるわけで。
結果、Aと同棲することになった。
とはいえ、こいつは教えたことは時間がかかってもきちんと遂行するから、今は一通りの家事は出来る。
まぁ洗剤の量を間違えたり廊下を水浸しにしたり、最初の頃は想像以上に凄絶なものだったが。
Aはフライパン片手にこっちを振り返って、ニッコリと笑う。
…うん、あのうるさい挨拶はともかく、目が覚めてすぐこの笑顔が見れるのは嬉しい。
ため息をついて｢おはよ｣と返した。
｢お盆だし道も混むだろうから早めに出るぞ｣
『わかりました！渋滞に巻き込まれても片輪走行しないで下さいよ？』
｢プライベートでするわけないだろ｣
お前は俺をなんだと思ってるんだ。
『ほんとかなぁ』とAが苦笑する。
こいつ最近ちょっと生意気になってきたな？
今日は久しぶりの休み。
Aの両親の墓参りに行く。
線香買うのを忘れないようにしないとなぁと考えながらポットの電源を入れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2762人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
立夏(プロフ) - 利茄さん» ありがとうございます！ (2020年4月23日 0時) (
レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
利茄 - 面白い！ 青井と犬子は、吹きましたww もう、最高ぉーーーー！ もし、よかったら、私のも、読んで 下さい！ (まだ、完成してないけど) www (2020年4月22日 0時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - りーぬ@天使が尊いさん» ありがとうございます！！犬井犬子のくだりの時はたまたまポアロの近くを歩いてただけなので行ってないですよ〜！ (2020年4月8日 20時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
りーぬ@天使が尊い(プロフ) - すっっっっっっっごくおもしろかったです！！！！！31話で主人公ちゃんがポアロに行ったことないって言ってるんですけど犬井犬子のくだりのときに行ってませんでしたっけ？？思違いならすみません(((^^;) (2020年4月8日 16時) (レス) id: 181f09b6df (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 立冬さん» お前wwwwありがとうございます！！！ww (2019年2月6日 17時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：立夏
| 作成日時：2018年8月8日 22時
