18.銀朱色 ページ20
『出たーーーー！！！！！』
真昼間に響いたそんな声に、その場にいた全員がビクッと肩を揺らした。
例に漏れず俺もパソコンを睨んでいた顔を上げる。
なにを騒いでるんだあのバカは…
しかし呆れ顔で廊下を覗き、うげっと顔を顰めた。
そこには目障りなニット帽。それに首根っこを掴まれた犬がジタバタもがいていた。
『降谷さーーん！！青井が！青井が！！出ました！！！！』
｢赤井だ。今日も元気だなわんこ｣
『離せこの野郎！！やだやだ降谷さん助けてーー！！』
………なにやってるんだあいつら。
あの塊に声をかけるのが嫌すぎてそのまま出ていかずに様子を見る。
そのうちAが本気で赤井を殺しにかかりかねないが、そうなったらそうなったで止めないでおこう。
｢つれないな、降谷くんには随分懐いてるようだが｣
『降谷さんは特別ですぅ！
あなたは降谷さんの敵なので、必然的に私の敵ですから！！』
｢ふむ。しかしわんこよ。組織潜入時代の降谷くんを真横で見ていた俺の話を聞きたくはないか？｣
『えっっなんですかそれめっちゃ聞きたいです』
チョロすぎかよあの犬！！！！
思わず心の中でそう叫んだ。
赤井の言葉にピタリと抵抗をやめたAは、さっきとは一転キラキラした瞳で赤井を見上げている。
それに何故か無性にイラッときて、足が勝手に２人のもとへと向かっていた。
｢人の犬に勝手に触らないでもらえます？｣
『っわ！降谷さん！』
バカの首根っこを赤井から奪い取る。
目を丸くするAの頬を軽くつねった。
｢お前も俺以外に簡単に尻尾振ってんじゃねえよ｣
『いたた…そ、そんなつもりじゃないです！』
わたわた手を振って否定するAから手を離してため息をつく。
今日はこれからFBIとの合同会議。
恐らくその前にこの間の話の続きをしにきたのだろう。
｢おい｣
『はい！』
｢俺が会議行ってる間に仕事全部片付けとけよ｣
『え！？全部！？降谷さん正気で』
｢返事は｣
『わん！』
一声鳴いて駆けていったAを、赤井はまたしても興味深そうに見つめていた。
｢……なんですか？｣
｢いや、もしかして君とあのわんこは付き合ってるのかと｣
｢はぁ？んなわけないだろ｣
｢しかし君は案外束縛が強いんだな｣
｢犬に首輪をかけるのは普通のことです｣
へえ、と呟く赤井。
相変わらずどことなくムカつく奴だ。
俺は舌打ちするのを堪えて廊下を歩き出した。
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如月.夜月(きさらぎ よつき)(プロフ) - 立夏さん» んふふ！良かった！同じですね(*´▽｀*) (2021年1月20日 19時) (
レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 如月.夜月(きさらぎ よつき)さん» えっっっっめっちゃいいですねそれ最高ですね！！！？？（笑）私もめちゃくちゃ見たいです！！！！！！！ (2021年1月20日 2時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ムースさん» わ〜！そんなにたくさん読んで頂けるなんて本当に嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年1月20日 2時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
如月.夜月(きさらぎ よつき)(プロフ) - 安室さん(怪我)､狂犬ちゃん(真顔)にお姫様抱っこされてほしいな… (2021年1月17日 13時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
ムース - 3周目です！好きすぎる！ (2020年12月12日 21時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年7月6日 23時
