検索窓
今日:232 hit、昨日:327 hit、合計:865,987 hit

64話 ▽I need you here. ページ21

降谷side


ちょっと大人げなさすぎたか、と1人反省した。


Aの仕事の処理スピードが想像以上に早くて、もうすぐにでも家を出ていってしまいそうで、つい焦って仕事を増やしてしまった。

いずれ頼むつもりだった仕事だけど、それにしても流石に悪い事をしたな…


そんな出来事も昨日のこと。

あれだけ指示してきたから、多分早くても明日までかかるだろう。


それまでに告白、か……

なんで俺、コナンくんとあんな約束したんだろ…

タイムリミットが迫った今になってもまだ覚悟が決められなくて、行動に移せていない。


はぁ…とため息をついて駐車場に止めたRX7から出る。

Aからメールが届いたのは、ちょうどそんな時だった。

マンションに入りながら携帯を開いた。



〈言われた仕事、全部終わったよ
荷物も纏め終わったし今から自分の家帰るね
合鍵は明日返す〉

「……は?」


思わず目を見開く。

簡潔に書かれた内容に携帯を落としそうになった。

え?もう終わった?しかも今から自分の家に帰るだと?!


待て待て待て。待ってくれ。

まだ言わないといけないことを言ってない。


慌てて階段を駆け上がって自分の部屋に急ぐ。

そしてバンッと荒々しく部屋のドアを開けた。



「A!」

『うわ!?びっくりした…なに?そんなに慌てて』


扉を開いた先には、キャリーケースを引いてまさに今から出ようとしていたらしいA。

ぎ、ギリギリ間に合ったか…



『ちょうど良かった、鍵返すね』

「あ…うん」


断る理由が思いつかなくて、手渡された鍵を一旦受け取る。


…いや、ダメだ。とりあえず引き止めないと。


今日言わないとダメだ。

明日からだって普通に会える。

Aがうちに来る前に戻るだけ。

言う機会だっていつかは来るかもしれない。


でもそれじゃダメなんだ。

そうやって後回しにしてきて、いつの間にかこんなに年月が経ってしまった。

いい加減腹を括らないといけない。

もうこれ以上先延ばしにはできない。

そろそろあいつらに怒られそうだ。いつまでやってんだと。



「……………め、飯」

『え?』

「……飯くらい食べてったら?」


なんでもいいから引き止めればと思いついたことを言う。

厳しいかと思ったがこれが意外といけたらしい。


『あ、そういえば夕飯まだだった。
じゃあお言葉に甘えて』


そう言って部屋に戻るAにガッツポーズをした。

よし、言うぞ。

タイミングを見計らって、絶対今日言うんだ。

65話→←63話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1033 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2814人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ひなた(プロフ) - 読ませていただきました!初めてゴリラを好きになれた作品なので感謝しております!そして、少し気になったのが、「緑川」というキャラでおそらく諸伏くんの声優さんと名前がごっちゃになってしまい諸伏くんを緑川と書いたものだと思いますがそこが少し気になりました。 (2022年4月30日 21時) (レス) id: dd9bdc737b (このIDを非表示/違反報告)
りーくん - 待って最後の宣伝のやつ二つとも知ってんだけどwwww (2021年9月1日 21時) (レス) id: 6d65fc1765 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 椎名桃乃さん» わー!ありがとうございます…!そんなそんなもったいないお言葉ばかりですがとっても嬉しいです!見つけてくださってありがとうございました!どうぞお暇潰しにでもゆるりと読んで頂けたらと思います!笑 ありがとうございました! (2019年5月26日 18時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
椎名桃乃 - 狂犬ちゃんを読んでぼろっぼろに泣いて、それから此方の作品を見付けて、いい話だなーとほっこりさせて頂きました!立夏さんは文才力が半端ないですね…!他の作品も読んでみたいと思います! (2019年5月24日 21時) (レス) id: 87ecca1cfc (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ウィンディ-lilac-さん» わぁぁありがとうございます!!とっくに完結した作品なのに見つけて下さって感謝しかありません…!本作は初めて書いた降谷夢なのでとても嬉しいです!狂犬の方まで本当にありがとうございます!これからもいっぱい文字書きますね!! (2018年8月27日 20時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:立夏 | 作成日時:2018年6月10日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。