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49話 ページ6

やばいやばいやばいやばい!

バタバタとハイヒールで廊下を全力ダッシュなう。

さっきから“やばい”の三文字だけが頭の中を占めている。



とりあえず経過報告。

部屋抜け出したことが速攻でバレました。

まださして動いてもいない頃に「A様が逃げ出したらしいぞ!」とか近くの部屋から聞こえてきた。


えー!?もう!?早くない!?

とは思ったが、まぁ遅かれ早かれこうなっていた。

それはいい。


この時、ぶっちゃけ私はなめていた。

あまりに警備が手薄だったから、まさかもう1回捕まるヘマはするわけないと。

さっと証拠を頂いて帰っちゃおうとか思っちゃってたのだ。



ところがどっこい。

遊佐家が本気を出てきやがった。



そうして始まりました地獄のガチマジ追いかけっこ in 遊佐邸。

いや、びっくりした。本当にびっくりした。

この家、至る所にトラップ仕掛けてやがる。


多分普段はオフにしてるんだろうけど、一旦スイッチが入れば恐怖のからくり屋敷と化した。


進めば落とし穴。戻れば射撃の嵐。

さっきから何度も黒服の奴らが引っかかりまくってる。

味方もろともターゲットを捕獲しにかかる阿鼻叫喚のデスゲーム。


え!?容赦なさすぎじゃない!?

さっきまでの生ぬるさは一体どこへ!?



「いたぞ!あそこだ!」


声が聞こえ、ハッとした瞬間に銃声が響いた。


『ひぃぃ…っ!』


自分をギリギリ避けて壁にぶっ刺さった針を見て、思わずそんな声が漏れる。

ま、麻酔銃…!

なんつーもん使ってくるんだ!


慌てて階段をかけ上り、近くの部屋に駆け込んで鍵を閉めた。

そのまま息を潜めて追っ手が過ぎ去るのを待つ。

騒がしい足音が遠ざかり、トラップに引っかかったと思しき悲鳴が聞こえたので静かに手を合わせた。



…よし、とりあえずOKかな。

小さく息をついて、考えなしに入ってしまった部屋を改めて見回した。

ここは…書斎?すごい量の本だな…


ひょっとしたら何か良いもんが見つかるかも。

そう思って資料を纏めてありそうな場所に近寄る。

しかし、そのとき視界の端に映った赤い本に、何故か酷く既視感を覚えた。



……あれ?もしかして私、ここ入ったことある?

遊佐邸自体には小さい頃に何度も来ていた。

…うん、やっぱり見たことある。

確か、内緒だよ、と伊織くんが立ち入り禁止のはずの書斎に入れてくれたのだ。


思い出してきた。

そうよ。この赤い本もその時に。

“ひみつのへや”に繋がっているって───

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
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ひなた(プロフ) - 読ませていただきました!初めてゴリラを好きになれた作品なので感謝しております!そして、少し気になったのが、「緑川」というキャラでおそらく諸伏くんの声優さんと名前がごっちゃになってしまい諸伏くんを緑川と書いたものだと思いますがそこが少し気になりました。 (2022年4月30日 21時) (レス) id: dd9bdc737b (このIDを非表示/違反報告)
りーくん - 待って最後の宣伝のやつ二つとも知ってんだけどwwww (2021年9月1日 21時) (レス) id: 6d65fc1765 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 椎名桃乃さん» わー!ありがとうございます…!そんなそんなもったいないお言葉ばかりですがとっても嬉しいです!見つけてくださってありがとうございました!どうぞお暇潰しにでもゆるりと読んで頂けたらと思います!笑 ありがとうございました! (2019年5月26日 18時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
椎名桃乃 - 狂犬ちゃんを読んでぼろっぼろに泣いて、それから此方の作品を見付けて、いい話だなーとほっこりさせて頂きました!立夏さんは文才力が半端ないですね…!他の作品も読んでみたいと思います! (2019年5月24日 21時) (レス) id: 87ecca1cfc (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ウィンディ-lilac-さん» わぁぁありがとうございます!!とっくに完結した作品なのに見つけて下さって感謝しかありません…!本作は初めて書いた降谷夢なのでとても嬉しいです!狂犬の方まで本当にありがとうございます!これからもいっぱい文字書きますね!! (2018年8月27日 20時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:立夏 | 作成日時:2018年6月10日 21時

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