検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:2,748 hit

(2) ページ2

「そんな事言ったって、別れようって言われたんだろ?」

3年生が自由登校になった2月、人がいつもより少ない食堂で、長机を挟んで俺の前に座る親友の大ちゃんが焼きそばパンをひと口齧ってから俺に言った。
「……大ちゃん、ひどい。何もトドメを刺さなくてもいいじゃん。」
恨めしさ全開で俺がコーヒーを飲みながらじとっと睨むと、
「だって本当の話だし。ていうか、裕翔、何でフラれたの?」
さらに子犬みたいな目で聞かれてぼんやりと思い出す。


あれはおとついの金曜日の放課後、いつも通りに待ち合わせしてる校門前で早く会いたいなと待っていた。
するとしばらくしてお待たせとやって来てくれた。
俺が会えて嬉しくて、にこにこしながら待ってないよと言うと笑い返してくれたんだけど、それからすぐに真面目な顔になって、

『あのさ、嫌いになったんじゃないよ。でも俺たち今のままじゃ上手くいかないと思うんだ。だから……少し離れよう。』

ぽってりとした大好きなピンク色の唇が言いにくそうに言ってきたんだ。

(3)→←N (1)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
48人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:すみれ | 作成日時:2023年12月28日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。