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「そんな事言ったって、別れようって言われたんだろ?」
3年生が自由登校になった2月、人がいつもより少ない食堂で、長机を挟んで俺の前に座る親友の大ちゃんが焼きそばパンをひと口齧ってから俺に言った。
「……大ちゃん、ひどい。何もトドメを刺さなくてもいいじゃん。」
恨めしさ全開で俺がコーヒーを飲みながらじとっと睨むと、
「だって本当の話だし。ていうか、裕翔、何でフラれたの?」
さらに子犬みたいな目で聞かれてぼんやりと思い出す。
あれはおとついの金曜日の放課後、いつも通りに待ち合わせしてる校門前で早く会いたいなと待っていた。
するとしばらくしてお待たせとやって来てくれた。
俺が会えて嬉しくて、にこにこしながら待ってないよと言うと笑い返してくれたんだけど、それからすぐに真面目な顔になって、
『あのさ、嫌いになったんじゃないよ。でも俺たち今のままじゃ上手くいかないと思うんだ。だから……少し離れよう。』
ぽってりとした大好きなピンク色の唇が言いにくそうに言ってきたんだ。
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作者名:すみれ | 作成日時:2023年12月28日 1時