キスと笑顔 (tk×ar) (ページ12)

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3年と1年だからそんなに接する機会はなかったんだけど、授業が終わってたまたま体育館に向かう途中、廊下を曲がった所でばったり有岡に会った事があった。
有岡はびくっと小動物みたいに体を小さくしてから、でもすぐに、

『髙木先輩、こんにちわ！』

俺だと分かってほっとしたのか、笑顔で元気いっぱい挨拶してくれた。
可愛いなぁと俺がつい頭を撫でて、
『元気そうで有岡はいいな。一緒に体育館、行こう。』
俺も笑顔でそう言うと、有岡が不思議そうに目をくるくるさせてから頬をさぁっと赤く染めて、ちょっとドギマギしながら、
『………は、はい！あ、あ、あのっ！…じゃあ、隣に……隣に並んで、歩いてもいいですか……？』
恥ずかしそうに聞いてくる。
上目遣いで。

めちゃくちゃ可愛い。

俺は頭をぽんぽんっとしてから、
『もちろん。俺の隣でよければ。』
すこし冗談っぽく答える。
有岡はそんな俺に、
『俺、髙木先輩の隣がいいです！！』
もう目がなくなるくらいの笑顔で答えてくれた。
それから体育館に着くまで有岡は髙木先輩、髙木先輩って何度も俺の名前を呼んで。
ありえない位に可愛いかった。

でも有岡とバスケ以外の事で直接話したのはそれくらいだった。
その後、俺に根も葉もない噂が流れてから、相談されるまで。