輩先生と純情びっち【鬼滅の刃】

（42）れいぞうこ ページ43

11時過ぎには渡された課題プリントはすべて終わった。

え、めっちゃ頑張ったよね？私





「職員室行こう」


「は？」


「不死川先生が、職員室の冷蔵庫にあるもの食べていいよって」


「何を不死川はふざけたことを」






ネチネチうるさい伊黒先生の袖を引っ張り職員室にズカズカ歩いていく。


どうせ受験対策ばっかで3年の先生しかいないだろうし、そうとなればもう職員室はマイルームだよね！







「失礼しまーす」


「お前の相手は疲れる」






冷蔵庫に一直線の私とは対象的に、伊黒先生は自身のデスクに腰掛ける。


夏休みの学校って静かだから落ち着く。




私は、職員室の冷蔵庫の中を開けて固まった。







「なんで皆律儀に名前書いてんの」







ペットボトル飲料やらスイーツやら色々入ってるんだけど、全っ部にきっちり名前が書いてある。


ダメだ笑い止まんない。


ガード固すぎる……




しかも書き方が超わかりやすい。


煉獄先生はめっちゃデカく「煉獄」って書いてて冨岡先生はすっごい達筆な字でフルネーム。


どう考えても食べ物に名前書く時の字じゃないでしょなんであんな感じなのに字綺麗なのみんな。







「待って不死川先生の物騒すぎない？」






『死』って1文字どーん！って。

たしかに分かりやすいけど誰も手つけられないなこれは。




カナエ先生は蝶々のマーク書いてる。可愛い。推す。




え、てかなに不死川先生これ分かって冷蔵庫からご褒美いいよ的なこと言ったの？


ぜんぶに名前書いてあるからどうせ食べられないからって？




それは先生の見当違いだよね！




と、私は冷蔵庫からパッケージに『死』って書かれたシュークリームを取り出す。


可愛いもの食べてるんだね先生。






「いただきまーす」


「お前の神経の図太さは去年から全く変わらんな」


「宇髄先生のがあればそっち食べたんだけどねその方が色々リスク低いし」


「そういうところだ」






そりゃあ不死川先生の方が色々リスク高いでしょ。


女子供には手を出さないっていうあの噂信じて私はシュークリーム食べまーす。



伊黒先生の隣のデスクに座ると心底嫌そうな顔をされた。







「お前は本当に手がかかる奴だ」


「先生なんだかんだ言って私のこと心配してくれてるもんね」


「口を開くな」







おっふ。

クリーム零れた。






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