輩先生と純情びっち【鬼滅の刃】

（21）飲まれる ページ22

「かんぱーい！！」




ガチャンとグラスがぶつかる音が鳴る。




「職員室戻ってきたとき全員顔死んでたぞ」


「保護者相手は気疲れ半端ねェ」


「冨岡なんか生きる屍みたいな顔してたじゃねーか」


「俺は担任に向いていない」


「うむ！俺もそう思う！」


「担任持たない宇髄には分からないだろうな。進路関係は本当に疲れる。なぜ俺が生徒の将来ことまで考えなければならない？卒業させたらそれでいいだろう」




全員タラタラと文句を連ねる。

生徒に会話聞かたら一瞬でPTA行きの話題だろうな。



いや俺だってこう見えて副担は持ってるからな？中等部だけど。



ストレスが溜まっているのか皆(蛇野郎を除く)酒のペースが早い。


明日も懇談だろ。二日酔いになっても知らねーぞ俺は。






「そういえば不死川」



ふと気になったことがあった。





「なんで三者面談なのに綾瀬だけ二者だったんだ？」





職員室で聞いたあの会話の感じだとたぶん綾瀬は親なしで面談してたっぽい。





「あいつ両親亡くしてて保護者登録は祖母になってんだァ。

ただその祖母も具合悪いとかなんとかで今あいつ一人暮らししてるみてェだし」


「へぇ。そうだったんだな」


「俺も去年の三者面談も綾瀬と2人で面談した覚えがある。

実家に電話しても出ないから訪ねようと思っていた矢先に家を出たとか言い出したから詳しいことは知らないがな。」





そうか去年の綾瀬の担任伊黒だったっけ。


両親亡くしたのは知ってたけど保護者として登録されてる婆ちゃんがそんなであいつやっていけてんのか？





「バ先に就職するみてェだ」


「手続きは？」


「進路未定で卒業させろと言われたァ」





幸か不幸か冨岡は酔い潰れて寝ていて、綾瀬のバイトについては何も聞いてなさそうな様子。


煉獄に関しては起きてはいるものの完全に頭が回っていない。いい加減芋食うのやめろ。





「あいつのことだからどんなバイトしているが知らんが止めてやらないと先が怖すぎる。

何しろ2年のときも進路希望を一度も提出したことがなかった」



「家庭が複雑だからなァ。

ま、このまま卒業はさせねーけど」


「俺からもまた何か聞き出しとくわ」


「綾瀬のことは宇髄に任せる」


「それは違ぇからな」





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