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こうして師範に引き取られた私は他の弟子達と同じように育てられた。
冬島「それで鍛練してるつもりか?!もっと集中しろっ!!」
私が入った頃弟子の数は私を合わせて計12人いた気がする。朝は早く置き昼までみっちり鍛錬。昼餉後もまた鍛錬・・・・・・日が暮れるまで鍛錬は続く。夕餉はびっくりするほど多い。筋力や体力をつける為だ。確かに辛かった。最初はあまりの辛さに涙が滲んだ。
冬島「止めたい奴は止めてもいい、逃げたれば逃げればいい・・・・・・別に私は止めはしない。
だが、逃げて後悔するのは自分だけだぞ」
逃げ出したいという人は多く、実際逃げ出した子もいた。気づいたら弟子の数は五人に減っていた。師範は逃げ出した弟子に気づいていても何も言わなかった。でも私は逃亡を考えた事は一度
たりともない。命の恩人の師範のため、憎い鬼を殺すために強くなりたいから。
ただその信念が私を突き動かしていた。だから私は気づけば毎日自主練を積んでいた。誰よりも早く起きて走りこむ。もっと早く、もっと強く・・・・・・!
〜冬島家 道場〜
---数年後---
アカネ「はぁーーーーっ!!」
道場で師範と手合わせをしたが___
冬島「どうした?それで終わりか!?」
アカネ「ぐぐ・・・・・・っ!!」
やっぱり、師範には敵わなかった。
冬島「どうする?もう降参するか?」
アカネ「いいえ!!もう一度お願いしますっ!!!」
冬島「そうか」
師範は剣の稽古や素振りの練習、呼吸法の仕方を学んだ。全集中の呼吸は習得するのが遅かった。どうしても難しくて気づいたら普通の呼吸に戻ってしまうのだ。だから諦めず模索した、その方法を。
そんな私を師範は温かく見守ってくれたのだ。そして師範は私を信頼して継子として呼吸を教えてくれた。師範の期待に応えようと必死に食らいついた。全身が悲鳴を上げようが無視し続けた。型をひとつひとつゆっくりと覚えていく要領の悪い私を、師範は厳しく叱った。でも、決して急かさなかった。
冬島「そんなんで鬼を斬れると思ってるのか!?強くなりたければもっと集中しろっ!!」
ひとつ技を習得した時には滅多に見せない笑顔で喜んでくれた。それだけで充分心が満たされるくらい嬉しかった。生きる意味を見つけた・・・・・・最終選別で生き残って師範に対しになった姿を見せたい!そして褒めてもらいたい!
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作者名:ミミ、みあ@、黒魔霊歌 x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2020年8月7日 0時