第5話 ページ5
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「もうホントにムカつく!男の方はいいけど女の方がしらばっくれててさ。」
友達と昼休みにお弁当を食べていたら、美穂ちゃんがそんなことを言っていた。
健水と隣の席になって、さっきまですごく喜んでたのに。
A「誰だろうね?」
晏朱「Aってさ、鈍感だね。ってか馬鹿だね。」
茉菜「うん。」
苦笑いの先にあるのは、衝撃的な言葉
晏朱「あれ多分、Aのことだよ。」
A「…え?私しらばっくれてる?」
茉菜「声でかーい。」
晏朱「だってさ、A絶対健水のこと好きでしょ。」
A「は?!何であんなマンドリル好きにならなきゃいけないの!」
健水は、私のことを女子として見てない。
そして私も、あいつのことを男子として見たことはない。
みんながかっこいいって言ってるけど、私はそんな気全然なかったし。
マンドリルって言ってるのは、あいつが急に絵を書いて私に、これAなって渡してきたのが、赤と青で描かれた猿みたいな絵だったから。
A「健水じゃん。マンドリルじゃん。」
って言ったら、ちょっと嬉しそうに笑ってやがったから、マンドリルって呼んでる。
晏朱「その絵は?」
A「捨てるの忘れてずっと筆箱の中。」
茉菜「=好き。」
晏朱「もうみんな知ってるから。」
A「違うから!変な勘違いされて勝手に怒られるのもちょっと迷惑。」
何なんだ。じゃあどうすればいいんだ。
答えは案外簡単だった。
晏朱「Aが健水に絡まなきゃいいんだよ。」
茉菜「勘違いされるようなことするからそうなっちゃうんだから。」
A「まぁ、確かに?」
美穂ちゃんはきっと苦しいんだろう。
だから私が絡まなきゃいい。
…ちょっと変な気もしたけど、実行開始。
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作者名:舞茸 | 作成日時:2017年11月11日 23時