菅原くんは弟と血がつながってない。【男主】

家族。33 ページ33

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及川「ほんと憎たらしいくらい綺麗な顔してるね」


頬をつねる及川

岩泉がやめろ、バカと戒める。


ははは、なんて笑っていたが、Aの眉間の皺が一瞬寄ったのを、4人とも見逃さなかった。


その瞬間、また病室が静まり返る。



『…』


水色の瞳が天井を見つめた。


及川「A…?っちょ、岩ちゃんナースコール!!早く!急いで!!」

岩泉「わかってるわボゲが!」



一瞬状況を読み込めなかったAだが、すぐに自分の状況がわかって勢いよく体を起こす。

巻かれた包帯を無理やり剥がして自分はちゃんと手首を切ったことを確認した。



松川「そんな急に起き上がったら…」

『なんで、』




深刻そうなその声は、岩泉がナースコールを押す手を止まらせた。

Aは両手で頭を抱え込み、自分に問いかけるように続ける。



『なんで、なんで…なん、で

ちゃんと計算したのに、体ちゃんとあっためて血が止まらないように…

誰かがおかしいことに気づいた頃には手遅れになるようにちゃんと考えたはずなのに…


なのにどうして…なんで俺は死んでないんだよ!!』



その時、見舞品のゼリーを鷲掴みにして思い切りAの口に押し込んだのは…。





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