菅原くんは弟と血がつながってない。【男主】

家族。19 ページ19

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幸い、彼らは俺に気づいていなかった。

でも通路側に座っていると、いつ気付かれるかわからない。



『及川さん、席替わってもらえませんか?』

及川「んーいいけど、…なんで?」

『ちょっと知り合いがいて』

及川「ふーん?」




通路側に座ると、及川さんも彼らの様子に気づいたようだ。



及川「あれ烏野のバレー部3年生じゃない?」

花巻「そういやそうだな」

及川「あの爽やかセッターくんって菅原っていうんだよね、Aと一緒」





嫌なところを突かれてしまった。

俺は視線をそらす。



及川「A?」

『…兄です』

松川「ん?」

『菅原孝支は…俺の兄です』




一瞬、静まり返った。



家族と血が繋がってない話を思い出したのか、空気が重たくなる。

あぁ、この空気は嫌いだ。



『でも孝支さんとは小さい頃から仲よしだったし』



笑ってごまかすと、タイミングよく店員が料理を運んできた。

変な空気もなくなって、話もそこそこに盛り上がってきたとき






"あれ、…A?"


と、優しくて聞きなれた声がした。




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