陸拾捌話 才能 ページ33
「お前達、違うなぁ。今まで殺した柱たちと違う」
堕姫を背負ったまま妓夫太郎が言った。
「お前は生まれた時から特別な奴だったんだろうなぁ。そしてお前は鬼なのに柱になれたんだなぁ。どっちも選ばれた才能だなぁ。妬ましいなぁ。一刻も早く死んでもらいてぇなぁ」
『……』
「……。才能?ハッ」
そう笑って宇髄さんが話し始める。
「俺に才能なんてもんがあるように見えるか?俺程度でそう見えるなら、テメェの人生幸せだな」
じゃあ私の人生も幸せですね。宇髄さんのお墨付きですことよ。
「何百年生きてようが、こんな所に閉じ込もってりゃあ、世間知らずのままでも仕方ねぇのか」
「……」
「この国はな、広いんだぜ。凄ェ奴らがウヨウヨしてる」
そう言う宇髄さんの額には、青筋が浮かんでいる。もしかして、毒が効いている?……それじゃあ、こんな話をしている場合じゃない。毒が回り切る前に、この二体を倒さなければ……。
「得体の知れねぇ奴もいる。刀を握って二月で、柱になるような奴もいる。勿論コイツも、菫も、鬼だから柱になれたんじゃねぇ。相当な努力を積み重ねた結果、柱になったんだ」
宇髄さんの、私を認めてくれるような言葉に、涙が溢れてくる。鬼の私に、ここまで言ってもらって、嬉しくないはずがなかった。
「俺が選ばれてる?ふざけんじゃねぇ!俺の手の平から今までどれだけの命が零れたと思ってんだ!」
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たまごぼーろ(プロフ) - ウォルさん» ありがとうございます!テスト期間中((←ですが頑張ります! (2019年9月8日 21時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
ウォル - 続編おめでとうございます!!! 続き楽しみにしてます((o(^∇^)o)) (2019年9月8日 19時) (レス) id: 6d590d31fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜乃茜 | 作成日時:2019年9月7日 21時