陸拾漆話 守る為に ページ32
「死ぬときグルグル巡らせろ。俺の名は妓夫太郎だからなああ」
そう言うと妓夫太郎は両腕を振り回す。持っていた鎌を飛ばし、家屋を壊す。
『……!!』
気付けば、部屋の隅に人が2人いた。咄嗟に覆い被さる。後ろには、私たち3人を守るように、宇髄さんが立っていた。
「妬ましいなぁあ。お前達本当に。いい奴らじゃねぇかよ。なあぁ」
ボリボリ、とまた嫌な音が響く、この音がトラウマになりそうだ。
「人間庇ってなぁあ。格好つけてなぁあ。いいなぁ。そいつらにとってお前は命の恩人だよなあ。さぞや好かれて感謝されることだろうなぁあ」
「まぁな。俺は派手で華やかな色男だし、当然だろ。女房も三人いるからな。因みに菫も嫁にするぜ」
『は?』
わっつ?
多分今私と妓夫太郎の気持ち一緒だと思う。思考を放棄って感じで。放棄してないけど。何なんコイツって顔してるもん。なぁ。
「お前女房が三人もいるのかよ。しかもソイツもだと?ふざけるなよなぁ!!なぁぁぁ!!許せねぇなぁぁ!!」
血鬼術 飛び血鎌
血鬼術 棘蔓壁
血鬼術で出した蔓で壁を作る。が、
『駄目……!間に合わない!!』
防ぎきれなかった大量の血が、宇髄さん目掛けて飛んで来る。
ドン!!!
「!!」
音がしたかと思うと、私達は一階まで落ちていた。
「逃げろ!!身を隠せ!!」
「はっ、はい!」
「逃がさねぇからなあ。曲がれ、飛び血鎌」
そう言った瞬間、妓夫太郎の飛び血鎌が曲がった。
血鬼術 花弁牢
大きな花弁で宇髄さんと私を包み、血を防ぐ。
血鬼術は、傷付ける為じゃなく、守る為に使いたい。そう思えば、この力は有り難い。
宇髄さんが複数の黒い玉を投げる。恐らく火薬だろう。それを刀で真っ二つにすると、激しい爆風に襲われた。
「……まぁ、一筋縄にはいかねぇわな」
『帯……』
球になった帯がしゅるしゅると解け、中から堕姫を背負った妓夫太郎が出て来る。
「俺たちは二人で一つだからなあ」
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たまごぼーろ(プロフ) - ウォルさん» ありがとうございます!テスト期間中((←ですが頑張ります! (2019年9月8日 21時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
ウォル - 続編おめでとうございます!!! 続き楽しみにしてます((o(^∇^)o)) (2019年9月8日 19時) (レス) id: 6d590d31fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜乃茜 | 作成日時:2019年9月7日 21時