正反対の私と君。（孤爪研磨） (ページ3)

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とある日の放課後

私は、居残りをしていた

私はこう見えて図書委員だ

そして私は平日の夕方から夜までバイトをしている

忙しい時は週に4回ほど入らせてもらっている
そのせいか図書委員の仕事なんてこれっぽっちもしていなかった
もう1人の図書委員の山田くんは
孤爪くんに似てあまり喋らなくて、クラスではよく本を1人で読んでいる。
そんな山田くんと2人で
来月の読書習慣期間の為、ポップを装作していた。
山田くんに、いつも図書委員の仕事を投げてばかりだった私
今回は1人で作るから帰っていいよと言ったのだが
山田くんは律儀に放課後残って手伝ってくれた。

『ごめんね、山田くん。』

模造紙にシャーペンで下書きをしながら
私は、いつも任せきりの山田くんに謝罪した

山田「いいよ、僕、本好きだから」

山田くんは本の貸し出しランキングをグラフにしていた

1時間ほど作業をしている時だった

疲れたなぁと思いながら私は大きく腕を上に体を伸ばした

山田「Aさんって、孤爪くんと仲良いよね、付き合ってるの？」

唐突にそんな事を聞かれた

『意外だね』

山田「え？」

『い、いや山田くんから恋愛の話が出るなんて思ってもいなかったから』

そう言って笑うと
山田くんは照れくさそうに下を向いた

『孤爪くんとは付き合ってないよ、友達だよ』

そう自分で言った時、
私は少しもやっとした気持ちになった
…気がした。

山田「どんな人がすきなの？」

グランドから野球部だろうか
ランニングの掛け声が聞こえる

校内から吹奏楽部の練習している音が聞こえる

そんな中、山田くんは私の目を見て真剣に聞いてきた。

その時だった

少しだけ、山田くんが思ってることが
わかった気がして

私は、少し動揺した。