検索窓
今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:45,291 hit

雷の日の魔法 ページ5

『ひぁっ……!』



朝から降り続く雨に、何もかもが億劫になっていたある日、窓の外がぴかっ、と光った。それに私は驚いて声を出し、あわや持っていたティーカップを落としそうになった。


数秒後に来るであろう、第2の衝撃に備えて傍のクッションを被り、それでも足りないと横に座っていた夏目くんの太腿に頭を押し付けた。



「ン?にいな、どうしたノ……」



ドカン!ゴロゴロゴロ……



『うひっ!!』



思っていたよりも大きい音に、肩を揺らして涙目になる。心臓に悪いこの雷の音が、私は昔から大嫌いだった。



「ヨシヨシ……」



それを察してくれたのか、夏目くんが私の頭を撫でてくれる。その暖かい手に、少しだけ落ち着いた。



「にいなは雷がダメなんだネ」

『うん……あれだけは本当にダメ』



そんなことを話していれば、またもや窓の外が大きく光った。これはでかいぞ、と反射的に夏目くんにぎゅっ、と抱きついた。



『んん〜……!!』



先ほどを上回る音に必死に耐える。そんな中、今まで私の頭を撫でてくれていた夏目くんが不意に、私の額にちぅ、とキスを落とした。



「怖がっているにいなも可愛いけど、流石に可愛そうだからネ。ホットココアを淹れてあげよウ、今日はずっと一緒にいてあげるからネ」



その言葉に、私が風邪を引いて寝込んでいた時のことを思い出した。それから、2人で相合傘をして帰った日のことも。


ホットココアを飲まずとも、夏目くんの一言で落ち着いてしまう辺り、彼は偉大な魔法使いだとつくづく思った。


その日は言わずもがな、夏目くんの服の裾を握りながら行動した。

SNSの魔法→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (62 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
203人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぶるブルブルミちゃん(プロフ) - 推゙じが尊゙い゙っ゙っ゙!!!!!ぐうかわっ!更新頑張ってください (2022年2月11日 20時) (レス) id: 33d476be95 (このIDを非表示/違反報告)
みーぼー(プロフ) - ご丁寧にありがとうございます!!🙇🏻‍♀️私の理解力がなくて申し訳ないです💦素敵なお話ですね✨夏目くん推しなのでとーーってもキュンキュンさせてもらってます🥰ほんとにありがとうございました!! (2021年10月13日 18時) (レス) id: 038716753e (このIDを非表示/違反報告)
桜乃茜(プロフ) - みーぼーさん» はじめまして、コメントありがとうございます!実は主人公ちゃんが何気なく言った「あったかい」には、「あなたがそばにいてくれて私は幸せです」という意味があります。なので夏目くんは「ボクも幸せ」と言ったんですね!こちらも文章力がなくて誠にすみませんでした! (2021年10月13日 17時) (レス) @page19 id: a0b00e9326 (このIDを非表示/違反報告)
みーぼー(プロフ) - 初めまして!!急にすみませんっ💦 ぽかぽかの魔法のところ、私の語彙力がなくて理解できませんでした😭 主人公ちゃんは何を言ったのでしょうか?! とてもとても気になっております🙏🙏 (2021年10月13日 11時) (レス) @page19 id: 038716753e (このIDを非表示/違反報告)
桜乃茜(プロフ) - 冬枯さん» コメントありがとうございます!まじ逆先ってやつは俺たちを狂わせるのが好きだなぁ!?(())確定演出ですり抜けは最高につらですね……こちらは先程10連を引いたらお迎えしました!(自慢乙)これからも夏目くんとこの作品を好きでいてください!ありがとうございます! (2020年10月3日 21時) (レス) id: 8b70bc5459 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:桜乃茜 | 作成日時:2020年6月10日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。