【あんスタ】『可愛い』魔法と王子様・短編集【逆先夏目】

花火の魔法 ページ24

ぱちぱちと散る手の中の花を見つめる。宙くんとつむぎ先輩を誘って、自宅の前で手持ち花火をやっていた。


各々好きな花火を持って遊んでいる。写真を撮っていたり、くるくると回っていたり。



「綺麗だネ」

『うん、とっても』



少し左右に揺らせば、気分は私も魔法使いだ。



「HiHi〜、にいなもSwitchの一員な〜♪」

「今度はにいなちゃんの衣装を作ってみるのもいいかもしれませんね〜」

『いやいや、3人揃ってのSwitchですから』



嬉しいですけど……と笑う。夏目くん、宙くん、つむぎ先輩。Switchはこの3人でなければならないのだ。



『だから、私はSwitchが大好きなんです』

「そうですか」



そう言ってつむぎ先輩は、まぁ衣装は作りますけどね、とにっこり笑った。さいですか……。




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最後に残った線香花火に火をつける。私は、花火の中なら線香花火を1番に推す。静かに落ちる光の玉が、綺麗で儚くて好きだった。



「線香花火の玉が落ちずに消えたら、願いが叶うんだヨ」

『へぇ、そうなんだ……あっ、落ちちゃった』

「残念だったネ」



花火が置いてある山からもう一つ取って火をつける。同じように光る球を見つめながら、学生時代に4人で行った夏祭りのことを思い出した。



『……今年は忙しくて行けそうにないね』

「ン？」

『夏祭り』

「アァ……」



そう言って夏目くんは少し寂しそうにした。



「宙はこのままでも充分な〜♪とっても楽しかったです！」

「また来年もやりましょうね」



そう言う2人に笑って頷く。私の線香花火は、落ちずに消えていたらしい。

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