深い蒼の瞳に捕まった話

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「ねー。そろそろおれらも疲れたから、交代！」

「早いよ。すごいなぁ。日本代表とバドミントンできるなんて」

「お手柔らかに」

「ビシバシいくよ」


コートの奥に大きくクリアしてからのヘアピンショット。

「うまい！いまのヘアピン見たか！自分でもびっくりしたわｗ」

確かに体の使い方がうまいな。

最初の一歩に無駄がない。判断が早い。

同じフォームから繰り出されるスマッシュがすんごい減速して、コートに落ちる。

「今のなに？！スマッシュじゃないの？！」

「カットスマッシュてやつ。良かった。まだ打てたｗ」


「多緒の、ラケットでシャトルすくって取るやつやりたい」

いちいちしゃがむの面倒だし、格好良い。後半、その練習ばっかりしてたｗ


「バドミントンてなんか掛け声あるの？」

「掛け声？」

「うーん。バレーでいう、サーブのときに「そーれっ」みたいなやつ」

「あぁ。ここ一本決めるぞ！てときに「一本！」ていうかな。

　決まらずに返されたら「もう一本！」とか言うかな。マサ、スマッシュ打ってみて？」

多緒が高くシャトルを打ち上げる。インパクトの時に

「一本！」

簡単に返されて

「もう一本！」

…嘘でしょ？

何本打っても決まらないんだけど。何回目の「もう一本！」だよ。

「もう無理！肩はずれるわ！全然決まんないし」

「そうなの。ただスマッシュ打ったくらいで決まらないんよ。前後左右緩急自在でないとね」



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