十一話 どうしても ページ12
翌日。
｢お願いだよ〜！｣
｢無理｣
先程からずっとこれの繰り返しだ。いやだって仕方なく無いか。突然笑ってと言われたらこう答えるしかないだろう。私の表情筋は死んでるんだぞ。
何故そんなことを頼んでくるのかと問えば、どうやら守沢先輩に私が笑いかけたとあちこちで話されているらしい。ふっっざけんなよおまえなんなんだ笑っただけで噂になるとか…！
私だって笑いくらい、笑、笑いくらい………しないな…
「だから無理だってば…！」
諦めろと言っても聞かない代川さん。いや聞け。
大体一昨日は偶然だったんだよ。
たまたま落ち込むことがあって、たまたま励ましてくれた先輩がいて、それが嬉しくて笑ったってだけで。
今笑えと言われてもできるもんじゃないんだよ。やめてよ私コミュ力とかゼロなんだよ。
「むぅ…じゃ、じゃあ！どんな事したら笑ってくれるの！？」
「知らないよていうか無理だよ」
諦めてくれない。五分くらいこのやりとりしてるぞ。諦めてくれよいい加減。
「ねぇお願いだよ〜っ！」
呆れて言葉も出ない。と言うか声を出す気力すら湧かない。
何故こんなに私の笑顔を見たがるのだろうか。笑顔と言ったって代川さんのように周りに花が咲き回るような明るい笑顔でもないと言うのに。
「無理なものは無理なの。いい加減諦めて」
「だってぇ…」
しょぼん、とあからさまに落ち込む代川さん。
そんな顔をされたって、出来ないものは出来ない。私は作り笑いなんて出来ないんだよ。
「じゃあ今日一日！今日一日かけてAちゃんを笑わせる！」
｢は？｣
人差し指をピン、と立てて、数字の一を表す。
やる気満々でこれならいいでしょと言ってくる代川さん。思わず喧嘩腰になってしまった。
ため息をひとつついて、机に肘をついた。
「勝手にしなよ…」
「やったー！」
結局折れてしまった。項垂れる私と、やる気に満ち溢れる代川さん。このやり取りだけで私は燃え尽きた。
その周りに、クラスメイトがわらわらと集まってくる。
「ねぇねぇ、Aの笑顔見たってほんと？」
代川さんに負けず劣らずの高い声の持ち主である姫宮くんが少し控えめに代川さんに訪ねた。
周りのクラスメイト達は何かに期待するような顔で机を囲んで静かに佇んでいる。
不気味過ぎて笑える。笑えないけど。
「守沢先輩が見たって！でね、わたしも見たくて今必死にお願いしたんだけどそう簡単にできないって言われちゃって…だからね！今日一日かけて笑わせることにした！｣
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もふねこ(プロフ) - 牡丹さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、見つけてくださって、そして好きと言ってくださって、本当にありがとうございます！！更新頑張ります！ (2019年3月19日 21時) (
レス) id: 53c853b275 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - 初コメ失礼します！作者様の作品大好きです！！こういう話が大好きで、この作品見つけられた時とても嬉しかったです！無理をなさらない程度に更新していただけたらなと思います！これからも頑張ってください！応援してます！ (2019年3月19日 17時) (レス) id: 8eaf4e5da0 (このIDを非表示/違反報告)
もふねこ(プロフ) - 夜月さん» コメントありがとうございます！ただの自己満なのに好きと言っていただけて嬉しい限りです…！ありがとうございます！ (2019年3月19日 16時) (レス) id: 53c853b275 (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - こういう系の好きなのでありがたいです！体に障らない程度で更新頑張ってください！ (2019年3月19日 15時) (レス) id: 4a6cf1e43a (このIDを非表示/違反報告)
もふねこ(プロフ) - 天宮さん» コメントありがとうございます！本当ですか…！？好きになっていただけて本当に嬉しいです…！！！天宮さんのお言葉でこれからも更新頑張っていこうと思えました！ありがとうございます！！ (2019年3月18日 22時) (レス) id: 53c853b275 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふねこ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2016年9月5日 22時
