女王陛下は策士なのです ページ40
声の主は悪態をつくと共に、ひとつの楽譜を手渡してくれた。
彼が作った、改良をされていない、元のままの楽譜。
原曲の乗った楽譜。
あぁ、なぁんだ、全部お見通しか。
あたしが何をしたいのかも、分かってたから助け舟を出してくれたんでしょう。
見透かされていたことに驚いて、笑いが体の底から溢れ出した。
『ふっ…あは…あははは!』
あたしの笑い声はインカムを通してこの会場にいるもの全員の耳に届いた。
『あーあ。さすがあたしの騎士は優秀なんだね?ありがとう、泉さん。助かった♪』
楽譜を手にして微笑めば、彼は少し驚きつつも、いつものどや顔になり俺は気が利くし?と自画自賛。
「お前、声、出ないんじゃなかったのか?」
こちらもあたしの犯してしまった失敗には気づいていたようだ。
それを知った上で、あたしに声をかけてきたんだから、やはりこの人は恐ろしい。
彼の呟きはインカムを通して会場全体に知れ渡ってしまった。
すると、会場のあちらこちらから
声出せなかったの?
大丈夫?
それなのにあんなに楽しませてくれるなんて!
と、次々にペンライトの色がKnightsのイメージカラーになっていく。
そこでどうやら気づいたようで、王様…月永レオはやっちまった、と苦笑い。
それを合図にあたしはふっと笑い手をかかげて、声を発した。
同時にイントロも流れ出す。
『〜♪〜♪♪』
間違いなく、あたしの歌声はみんなの耳に届いていた。
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さりな(プロフ) - パスワード教えて下さりますか? (2019年9月7日 21時) (レス) id: d6387d6472 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さゆな x他1人 | 作成日時:2019年6月1日 13時