Cinderella.49 ページ13
「おはよう、A。今日の放課後、この前の雑誌に載ってたところに寄っていかない?」
『おはよう、嵐。いいね、あたしも誘おうと思ってた…♪』
あの日から、あたしは嵐と行動を共にするようになった。
あの日の撮影も、難なくこなして見せた。
正直、撮影どころじゃ無かったんだけど。
気まづい雰囲気のまま、あれ以来泉先輩とは話すどころか目も合わせない。
たまに姿を見たと思えば、大抵アンナがそばに居た。
…つまりはそーゆー事。
なぁんだ、意外とあっさりじゃん。
もちろん、今回の件は自業自得だし、あんなことを言ってしまった以上、元の関係に戻れるなんて…思っても無い。
ただ、まだ泉先輩があたしを見てくれるような気がして…そんな事ありえないのにね。
自分勝手で、自惚れすぎたのだ。
「…聞いてたかしら?A?」
『えっ、あ、ごめん!なぁに?』
「んもぅ!放課後、ちょっと用事かあるから下駄箱で待っててもらってもいい?って話よ!」
あたしの机に頬杖をついてプクッとほほを膨らます嵐。
うん、可愛い。グッジョブ。
離れた泉…瀬名先輩との距離。
逆にギュン!と縮んだ嵐との距離。
呼び方も君付けとかはやめてと言われた。
そして向こうもちゃん付けから呼び捨てに変わった。
距離の近い彼氏彼女がするように。
『うん、わかった。あたしもちょっと野暮用があったから終わったら待ってるね!なるべく早めに済ませるから…!』
「了解したわ♪っと、HR始まっちゃうわね?それじゃ♪」
そう言って自席に戻っていく嵐に軽く手を振ると、横からツンツンと肩をつつかれた。
「…随分とナッちゃんと仲良くなったんだねぇ…?なんかあったの?」
「あー、それ俺も思った。どーしたんだよ?」
前の席のマオマオはクルンと首をこちらに回し、隣の凛月くんは組んで枕にしていた腕に頭を乗せてあたしを見た。
話しにくいランキングワースト5位以内のこの2人。
だけど、話してしまえば話しやすいランキングトップ5にも入る2人。
いっそ、話してしまおう。
そう思って口を開いた時、くぬくぬ先生が「HRを始めます」と扉を開けた。
『ごめんっお昼に話すわ…』
と、両手を合わせればOKと指で作る2人。
あたしはこの数日で溜まりに溜まった疲れが癒されることも無く、ただボーッと教壇に立つくぬくぬ先生を見つめた。
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さゆな(プロフ) - 空麦さん» ありがとうございます!と言いつつ続編また出来ちゃいました...笑 これからもよろしくお願いします! (2019年6月25日 23時) (レス) id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
空麦 - 元、麦ちゃんです♪続編おめでとうございます!!本当に、面白いです♪これからも、頑張ってください。応援してます! (2019年6月24日 20時) (レス) id: ad939e8b4e (このIDを非表示/違反報告)
さゆな(プロフ) - 零さん尊いさん» ひええ!ありがとうございます!そろそろ終盤なんですー!頑張りまっす! (2019年6月20日 20時) (レス) id: a613cbb65f (このIDを非表示/違反報告)
零さん尊い - 続きが気になります!無理をしない程度で頑張ってください! (2019年6月18日 23時) (レス) id: f191d1a880 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さゆな | 作成日時:2019年6月17日 16時