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「『……………』」
互いに無言。周りの雑音はシャットアウトし、ボタンとレバーを操作しながら画面を睨む
レバーの動く音も、ボタンの音も、操作しているキャラの声も、放たれる効果音も……全てを聞き流し、敵の一挙一動を見逃さぬように全集中だ
そうして何分経っただろうか。戦いの先には、勝者と敗者がいるのみだった
「よっしゃあぁぁぁ勝ったあぁぁぁ!!」
『ああぁぁぁ負けたあぁぁぁぁ!!』
席を立ち、天高く拳を突き上げる悠仁と、頭を抱えて項垂れる私。このあべこべな状況を側からみたらどう思われるのだろうか
うぅ……と声にならない声を出していると、ニヤニヤとした顔の悠仁が隣まできて「負けたAは勝った俺の命令を聞く約束だけど…」と言ったところで私の耳元に口を寄せ
「……どんな命令がいい?」
と、吐息混じりに言いやがった。私は思わず耳を抑えながら距離をとり、熱が集まった顔で『とにかく私に損がないやつ!!』と叫ぶ
そんな私を見て、悠仁は「大雑把でよくわかんねぇ」とくつくつと笑うのだ。睨みつけるとまた笑い、そこから暫く顔を赤くしたり変顔したりして悩んだ後に口を開いた
「んー……じゃあ、俺がしたいゲームに付き合ってくれ。俺、まだまだゲームしたりないし」
『……え、それだけ? 予想してたのと違ってほっとしてるけど…』
「予想してたのって何?」
『…………悠仁のことだから、不健全なこと』
ぼそりとそう言えば、途端に悠仁の顔からぼっと煙が出て真っ赤になった。そして「いやいやいやいやいや」と手をぶんぶんと振っている
「おおお、俺がそんなの命令するわけないじゃん?! いやまあ、考えたけども…あ、いや健全よりの不健全よ?! 高校生が不純異性こーゆーは……」
めっっちゃ焦るじゃん。早口で喋る悠仁をジト目で見ていると、更にスピードが増していくので見ていて少しだけ面白い
ていうか、ここで急に恥ずかしがんないでよ。初心かよ。私もだけどさ
……付き合ってもない幼馴染との少しだけ不健全ことを考えてみて、特に抵抗感がなかったのは胸にしまっておこう
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眠民。 - 完結おめでとうございます!!シロツメココロさんの作品を一気見して、一番好きな作品がこれですっっ!!虎杖推しではありますが、普通に宿儺かっこいいんだよなぁ‥。夢主ちゃんは結局どちらを選んだんですかね!?神作品ありがとうございました!!大好きです❤ (11月26日 16時) (レス) @page30 id: 7e432fa76e (このIDを非表示/違反報告)
シロツメココロ(プロフ) - ナナ宮さん» コメントありがとうございます。まだ虎杖悠仁もあるのでまだ旅立たないでください(笑)。こちらは愛してますよォ(イケボ) (2022年6月20日 23時) (レス) id: d24c7f43b6 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ宮 - ずぎでずぅぅぅぅ!!!!(泣)ありがどうございまず!!素敵な人生でした…今なら◯ねます、本望です。こんな素晴らしい作品に出会えて幸せっす…!続きめっちゃ楽しみです!更新楽しみに待ってます! (2022年6月20日 23時) (レス) @page13 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シロツメココロ | 作成日時:2022年5月7日 12時