三話 ページ4
『失礼します、政府から来た役人の者です。』
一歩入って見るとそこはなんとも言えぬ部屋だった。ここの本丸の審神者はどしりと座り、その斜め後ろには怯えた表情を隠すように俯く短刀がいた。
『(名は確か…五虎退、か。チッ……黒だな完全に。)』
顔には出さないが内心舌打ちをする。
それもそのはず、この短刀の表情を見ていい本丸と言えようか。
それは否、黒である。
短刀、五虎退の顔色は悪く酷く怯えている。それにこの男の審神者はきな臭いニオイがぷんぷんする。
この貼り付けた感満載の笑み。
醜い人間。
「やあよく来てくれたね。それで、話はなんだい?」
よくもまあいけしゃあしゃあと喋れるものだ。
『本丸の様子と審神者の動きを見て政府に報告しに来ました。』
「そっかあ。でも別に普通通りにしてるし何も問題無いから大丈夫だよ。」
『監視です。貴方の報告書は極めて怪しい。だから見定めるために私が派遣されました。』
「怪しいって言われてもねえ、そのまま報告してるだけなんだけど?」
『そう言われましてもこちらも仕事ですので。』
相手は余程私をここに居させたくはないみたい。
何かを隠してるのは間違いない。こういう場合は間違いなく、黒。
『はぁ、こうしても拉致明かない。単刀直入に言うと政府はあんたを黒だと目星をつけてる。それを見定めるのが私の役目。分かるか?あんたにデメリットがある訳じゃない。』
"普通にしていればだけど"
そう追加して言うとピクリと男の眉が動く
『(引っ掛かった……)』
その小さな変化も見逃さずにAはじっと相手の出方を待た。
312人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うぇぽんぬ氏(プロフ) - 佐野さん» お気に入りとコメント、指摘とありがとうございます。言われてみれば"男侍らそ"は喋り言葉過ぎて伝わりにくかったかも知れませんね…迂闊でした!修正しましたので、今後も暇つぶし程度でもいいのでお付き合い頂けると嬉しいです。 (2017年6月14日 1時) (レス) id: 6ef3653dc5 (このIDを非表示/違反報告)
佐野(プロフ) - 初めまして。興味を惹かれるお話でした。お気に入り失礼します。ところで読みにくいかどうかのお話ですが、一点だけ。"男侍らせ"のところは"男を侍らせる"とした方がいいかと。少しの指摘で申し訳ありません。更新、無理のない程度に頑張ってください。 (2017年6月3日 9時) (レス) id: 144045511b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:うず麿 緋◯ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年1月16日 22時