二話･鶴が鳴く ページ3
鶴丸が案内する道中は嫌な程静かだった。
運とも寸とも言わないこの政府から来た彼女は静かに自分の後ろをついてきている。
第一印象は不気味だった。何がとは偏に言い難い、だが何処と無く不気味。
その一言に尽きる。
刀を投げるも反応の無い、ましてや刀を手に取り渡されるとは思ってもいなかった。
鶴丸はてっきり年頃の女性らしく畏怖するか、後ろに後ずさるか、何らかの反応があると踏んでいたが…彼女はただこちらを見つめ刀を手に取って無表情で渡し要件を話すだけだった。
(人形の様だ……それに、霊力も無駄に高い)
人形の様で霊力も膨大となれば流石に政府の重要を握る人物かと思えたがそうでもないと来た。曰く、いても居なくても変わらないらしい。
はて、と心の中で首を傾げはするが言葉にはしなかった。
鶴丸とてこの人間を心から許したつもりはない。
ただこの現状を打破でもしくれるかもしれないと言う思いで案内しているだけに過ぎない。
「着いたぞ。ここに審神者はいる。」
一室の前で立ち止まり振り返るとAは変わらぬ表情で言葉を紡ぐ。
『ありがとう。帰りは………どの道帰る事はないだろう。もし私の亡骸があれば邪魔にならない程度に庭に埋めて欲しい。』
「はは、そんな縁起でもない事を言うな。」
なにを言いだすかと思えば、死ぬの前提かと言いたくなる。
そして少しの希望に掛けて助けを請う。
「………頼む、出会い頭の君に頼むのも可笑しな話だが、助けてくれ…」
返事の期待はしていながった。が彼女は一瞬、ほんの一瞬だけ微笑んで中に入っていった。
…なんだろう、この心に立ち籠める靄は、何故か彼女はどうかしてくれると思ってしまう。
「……どうか俺たちを、救ってくれ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 312人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うぇぽんぬ氏(プロフ) - 佐野さん» お気に入りとコメント、指摘とありがとうございます。言われてみれば"男侍らそ"は喋り言葉過ぎて伝わりにくかったかも知れませんね…迂闊でした！修正しましたので、今後も暇つぶし程度でもいいのでお付き合い頂けると嬉しいです。 (2017年6月14日 1時) (
レス) id: 6ef3653dc5 (このIDを非表示/違反報告)
佐野(プロフ) - 初めまして。興味を惹かれるお話でした。お気に入り失礼します。ところで読みにくいかどうかのお話ですが、一点だけ。"男侍らせ"のところは"男を侍らせる"とした方がいいかと。少しの指摘で申し訳ありません。更新、無理のない程度に頑張ってください。 (2017年6月3日 9時) (レス) id: 144045511b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うず麿 緋◯ | 作者ホームページ：
作成日時：2016年1月16日 22時
