検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:94,629 hit

十話 ページ15

広間へと向かう順番はこうだ。
燭台切光忠と大倶利伽羅を先頭に鶴丸国永、五虎退、薬研藤四郎、秋田藤四郎、乱藤四郎、厚藤四郎、平野藤四郎、そして最後に一期一振。
Aは鶴丸国永と五虎退の間に挟まれ移動する。


『(本丸は思ったより早く綺麗になりそうだな。あとは……問題を抱えた刀剣達、か…)』


何かと一悶着起こりそうだ、と考えながら廊下を進んだ。

途中すれ違う部屋から、何度か殺気混じりの視線や様子を伺う気配を感じはしたが動きはなかった。
ここにいない彼等はもう起きているのだろう、早起きなもんだ。


「あ、あの……主さま、今日はこれから何をするんですか…?」


着物の袖を握りながら歩く五虎退に視線をおろす。昨日よりは幾分か精神的にも体調の良いように見える。


『……まず貴方達の朝食を作らなきゃならない。今は人の身で暮らしているから、最低基準の生活水準は欲しい。』


外の瘴気が晴れたと言えど、本丸の中の汚れや損傷が綺麗になっている訳ではない。霊力を流すだけで綺麗にするにも限界が当然あり、人の手を加えなければ出来ないこともある。


『…暫くは戦いなんて事は二の次ね、まずは本丸を綺麗にする事が優先。五虎退も掃除手伝ってちょうだい。』
「は、はい!僕、一生懸命頑張ります…!」


そう意気込む五虎退の頭を軽く撫でながら掃除のプランを考える。

短刀たちは廊下を拭いたり庭先を綺麗にするのがいい。天気もいいからいい刺激にもなるだろう。縁側は争奪戦になりそうだ。
脇差は…と考え込む時に気付く。粟田口には二振、脇差が現存したはず。でもここには見当たらない。重傷だとしても昨日鶴丸に渡した手伝い札があれば直ぐにでも動けるようにはなるはずだ。
居ないという事はつまり、そういう事なのだろうか。

であれば他に見ない刀も同じことなのだろうか、これは相当根が深そうだ。
どこか思考の片隅で考えては知らず知らずに小さな溜息を吐く。

十一話→←九話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (153 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
312人がお気に入り
設定タグ:刀剣乱舞 , 刀さに   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

うぇぽんぬ氏(プロフ) - 佐野さん» お気に入りとコメント、指摘とありがとうございます。言われてみれば"男侍らそ"は喋り言葉過ぎて伝わりにくかったかも知れませんね…迂闊でした!修正しましたので、今後も暇つぶし程度でもいいのでお付き合い頂けると嬉しいです。 (2017年6月14日 1時) (レス) id: 6ef3653dc5 (このIDを非表示/違反報告)
佐野(プロフ) - 初めまして。興味を惹かれるお話でした。お気に入り失礼します。ところで読みにくいかどうかのお話ですが、一点だけ。"男侍らせ"のところは"男を侍らせる"とした方がいいかと。少しの指摘で申し訳ありません。更新、無理のない程度に頑張ってください。 (2017年6月3日 9時) (レス) id: 144045511b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:うず麿 緋◯ | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年1月16日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。