甘々イチゴ【すとぷり短編集】

落とした僕の欠片【莉犬】 ページ22

君の方が好きだけど
の自己解釈が入っています。
苦手な方は読まないようにお願いします。

莉犬くんとAさんは付き合ってないです
歌い手とリスナーの関係です。
ーーーーーーーーーーーーーー
〜Aside〜

朝

毎日聞く私の大好きなオルゴール

そっとネジを回せば大好きな曲
それに合わせて口ずさむ

私の声は

誰にも届かない空っぽな歌だ

ーー

あぁ

今日もまただ

周りから聞こえるのは
ノロケ話に悪口

私は傷ついた耳に絆創膏をするように
イヤホンをして莉犬くんの曲を聞く

傷ついた耳が癒されて
少しだけ気持ちが明るくなった

ーー

家に帰ってまた莉犬くんの曲を聞く

私は莉犬くんを知ったばかりで
莉犬くんとの思い出なんて
紙にまとめれば1ページにも満たないくらい

でも数少なくてもたくさんの
リスナーさんへの愛の跡をみた

毎日毎日素敵だって思う
莉犬くんの

声も

性格も

考えも

全部好きだ

そっとイヤホンを外し
机に目を向けると
ライブに向けて書いたのに
上手く書けずに丸まった手紙

見たくなくてくずかごに放り投げた

また今日も今日感じた気持ちを
スタート地点にして書き出す

これからのライブのこと
今までのこと
色んなことを書いた

最近ではアンチも増えてきている
莉犬くんが辛い思いをしないようにと
できるだけ嬉しいことをたくさん書いた

アンチで負った莉犬くんの傷をうめるように

でも

今日も

丸めてしまった

ーー

今日は握手会だ

生憎私は行けなかったが
レポを見た

たまたま流れてきたレポで
私は涙を流しそうになった

その子は｢助けられなくてごめんなさい｣
って言ったらしい
すると莉犬くんは
｢大丈夫だよ。寂しくないよ。辛くないよ。
目の前にキミがいるから。｣
と言ったのだ

きっと辛いのにそういった
莉犬くんの優しさに目が熱くなった

ーー

ついにライブ当日

全てが夢のように素敵だった

莉犬くんは

リスナーが笑えば笑い

リスナーが泣けば泣いていた

莉犬くんは

｢半分こしてるみたい｣

って言って笑っていた

笑顔が眩しかった

トークの時にアンチの話が出た

でも莉犬くんは決して弱いところは見せずに

｢後ろ指を指されて笑われたなら
それをみんなと笑う笑いに変えよう｣

って微笑んで言った

かっこよかった

少し泣いていたけど

リスナーも泣いているものだから

ふふっと笑って

｢おそろいだね｣

なんて言っていた

ーー

後ろ指を…

ってやつはライブで実際に言っていた言葉です

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