君が好き【好きです鈴木くん!!】Part４

第175話 ページ34

.

｢ってことがあって.....｣


ついさっきの出来事をちい姉は照れたように話す。

可愛いなぁ...。


『ちい姉もかぁ.....同じ時にデートに誘われるなんてすごいね.....しかも同じ日に』

｢ほんとね、まるで打ち合わせでもしてたみたい｣


そういってちい姉は小さく笑った。


『私デートなんてしたことないよ.....』

｢私だって...｣


私とちい姉は顔を見合わせて唸る。


『爽歌に相談でもしてみようかな...輝との近況も気になるし』

｢そうね、爽歌に聞いてみましょ！｣


ちい姉はそういって、爽歌に電話をかける。

だけど、困った顔で顔を上げる。


｢でないわ...｣

『そっか...忙しいのかもね。メールしておこっか！』

｢うん..｣


ちい姉はすぐさま、爽歌にメールを送った。


｢はぁ...ほんとにどうしよう.....｣


ちい姉は未だ赤い顔を膝に埋め、ウンウンと唸っている。

その姿が本当に可愛くて思わず笑ってしまう。


｢なんで笑うのよ...｣

『だって、ちい姉可愛いんだもん』


そう言えば、照れたようにそっぽを向くちい姉。


『それに.....私、嬉しいんだ...』

｢え？｣

『ちい姉が、幸せそうな顔してるの、すごく嬉しいの』


本当に幸せそうな顔してるちい姉を見ると、泣きそうになる。

やっと、叶ったねって。

そばで、誰よりも近くで見てきたからわかる。

私にそんなこと言われても嬉しくないだろうけど。


ちい姉は未だに顔を膝に埋めている。
おかげで、表情は見えない。


しばらくの間、二人であれこれと話していると、ふと、ちい姉のスマホがなる。


｢爽歌だわ｣

『なんて？』

｢家に行ってもいいかなって聞いたらいいよって｣

『よし、じゃあ行こう！』


善は急げだ。


『ちい姉はやくはやく！』

｢A...あんたこういうときははやいのね...｣




私はちい姉の手をひっぱり爽歌のうちへ急いだ。



.

第176話→←第174話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す