黒に染まる４【ハイキュー】【マフィアパロ】

不用心 ページ11

治Side


「いや、これもう絶対イタチの拠点やん…」






目の前に現れたのは小さなコンクリートの小屋だった



山の中にコンクリートの小屋がある風景はなんとも異様だ





こんなわかりやすくてええんやろか、と同業者として少し心配になりながらも



ぐるりと一周してみる






すると、小屋から少し離れた開けた場所に



黒い車が一台止まっていた







「イタチの奴らの車やんな…」







近づいていくと地面には割れたガラスが散らばっている




「…うわ、窓ガラスわれとぉ、」




危ないやん、と呟きながら



切り傷が苦手な治はガラス片を丁寧に避けて歩き、



車の中を確認していく




「特に何もないなぁ」




少しつまらなそうに治が言った

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


一通り小屋の周りを調べ終わったので、



小屋の重そうな扉の前に立った





「さぁ、本命やな」





あ、鍵どうしよ……



生憎、今治は扉を開ける道具を持ち合わせていない






「はぁ…たまたま開いとったりせんかな〜、」






とりあえず、ダメ元でぐっと扉を引いてみる





「…え、は？」





重そうな扉はギギっと音を立てて、小屋の中への道を開けた







すんなりと開いてしまった扉に拍子抜けして、



空いた口が塞がらない治









「………いや、不用心すぎひん…？？」









やっと出た言葉は漫才のツッコミのようなものだった








ホンマにあのイタチのアジトやろか…、と少し不安になりながら



お邪魔します〜…と小さく呟いて



ゆっくりと暗い小屋の中に足を踏み入れた

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