美少女トリップしたので好きにする！【魔入間】

9話 ページ9

物心づいた時には自覚していた




私は浮いていると


嫌われていると




「おかあさん、おとうさん」



話しかけても無視される日々で



されることと言えば最低限の日常生活での支えと






過度な暴力





「いたいいたい"ッ！！」





殴って欲しくもなかった



蹴られたくもなかった





幸いにも友達には恵まれたから友達に頼ってばかりだった



友達は私の家庭環境を理解してくれていたから


よくお家にも泊めてくれたし守ってくれた




なにかあったら殴りに行ってやるだなんて言われて笑った日もあった


無事に高校生にまでなった、




でも心の中で何かが足りない感覚に揺さぶられた



友達がお母さんと喧嘩した話をしているのを聞く度に


美味しそうな手作りのお弁当を持ってきているのを見る度に


お父さんが買ってくれたなんて

可愛い小物を使っているのを見る度に




心の奥底で何かが煮えるような感覚がして苦しくなる


どうして私はそうじゃなかったんだろうって


私はどうして愛して貰えなかったんだろうって



友達に対してそんなことを思う自分すら嫌だった





そんな時に、




「なにこれ、」




入間くんの漫画と出逢った




入間くんも私と同じで親から愛されていなかったけれど

それでも、楽しそうに足りなかったモノを取り返すように「オトモダチ」と日々を過ごして

周りの大人に助けられて




そんな日々に憧れを持った



だからこの漫画が好きだったし、


イルマくんたちを全力で守る先生たちが好きだった



私の中の大人の概念を大きく崩すようだったから





これからはそんな先生たちと暮らしていける


つかぬ間の幸せでも酷く嬉しかった



転生だなんてこと、話せないけれど


何も言わずに泣き続ける私を
バラム先生とツムル先生は相手にしてくれる


泣いていても殴られない

蹴られもしない




幸せになれるのかもしれない、

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