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「話してみたらええヤツでさ。
その紙飛行機、天国まで飛ばす予定やったんやって。ホンマにアホやろ？」
ハハッって楽しそうに笑う永瀬の高い声が響く空間と
わたしがいる空間がずっと遠くにあるようなそんな錯覚に陥った。
聞きたくないのに、聞いたらまた苦しくなるのに。
「わたしの知らない紫耀」をすべて知ってしまいたいと思うんだ。
「そいつが天国に行ってみたいって言うから、
何が嫌なことでもあるんかって訊いたら、そいつ何て言うたと思う？」
「え……」
その答えは、きっとわたしが知りたくてしかたのなかったもので。
それが、紫耀の死んだ理由なのだろう。
「……分かんないや」
「そいつはな、嫌なことなんて何もないって言ったんよ。
毎日しあわせで、生きてて良かった思ってるって。
それ聞いたら、なんかイラついとった部分もどうでもよくなったんよ」
懐かしそうに笑う永瀬は、すごく良い笑顔をしていた。
けれど。
それなら、なぜ。
「じゃあ、何で天国に行きたかったんだろう」
もう、紫耀自身には確かめることのできない問いを、永瀬に投げかけてみる。
「怖いって言っとった。しあわせな日常とか、自分自身が変わっていってしまうのが」
「怖い……？」
「生きてる限り変わらんものなんてないから、それが楽しくもあるけど、怖いねんて」
もう4年以上も前に小学生の紫耀が考えていたことが、
わたしにはまだちゃんと理解が出来なくて。
永遠に変わらないもの、の答えは「何もない」が正解だったのか。
そんな答えで、本当にいいのか。
「でも、死んじゃったら、元も子もないじゃん」
行き場のない、怒りなのか哀しみなのかよく分からない感情が
そんな言葉に姿を変えて、わたしの口から飛び出していた。
思ったより威圧的にも響いたそれに、永瀬もすこし驚いていた。
「せやから、そいつは言っとったで。
これ以上しあわせなことなんてないって思った瞬間に天国に行きたいって。
天国に行ってまえば、その瞬間を永遠に残せるからって。
それまでは死なんって言うてた。ホンマに、変わってるけどすごいヤツやなって思ったわ」
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夜木(プロフ) - いむさん» ご丁寧にありがとうございますw一気読みお疲れさまでした！珍しくあまりボケずに書いたので気に入って頂けて良かったです( ;∀;)(by生きてる紫耀くんメインが完結しない平野担) (2020年11月17日 22時) (
レス) id: 9b6e1cc694 (このIDを非表示/違反報告)
いむ(プロフ) - 夜分遅くに失礼致します。一気読みして大号泣しました。物語でこんなに泣いたのは初めてだと思います。それくらい、心に響く作品でした。ありがとうございました！ (2020年11月17日 2時) (レス) id: 1eeed365fd (このIDを非表示/違反報告)
夜木(プロフ) - れおさん» れおさん、コメントありがとうございます。とても嬉しいです！！！ (2020年6月13日 13時) (レス) id: 9b6e1cc694 (このIDを非表示/違反報告)
れお(プロフ) - コメント失礼します。めちゃ涙腺崩壊でした。紫耀くんが優しさの塊で…切なさもありつつ、感動もあって最高でした！！何回も読み直してます笑 (2020年6月13日 9時) (レス) id: ad2f82eb65 (このIDを非表示/違反報告)
夜木(プロフ) - HARUさん» HARUさん、ありがとうございます！コメントとても嬉しいです！途中かなり放置してしまったのに最後までお付き合いいただき幸甚の至りでございます。笑 HARUさんのヤンデレ海ちゃん、楽しみにしております！無理なさらず頑張ってください(*^^*) (2020年5月27日 12時) (レス) id: 9b6e1cc694 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜木 | 作成日時：2020年4月1日 1時
