2話「割とあっさり」 ページ3
ボールはイーブイに接触し、その瞬間イーブイはボールに光となって吸い込まれていった。
かちかち、一回だけボールは揺れ、その後にかちっと音がなる。
……ボールは動かず、イーブイが出てくる様子もない。
これはゲット出来た、って事でいいのかな。
私はイーブイが入ったボールを手に取り、アニメの真似をしてイーブイを出そうとする。
すると、投げたボールから光が出て、イーブイが出てくる。
……あれ、これ急に捕まえちゃって怒ってないよね……
急に不安に駆られつつ、イーブイに手を伸ばしてみる。
「ぶい！」
さっきの考えは全て消え、イーブイを愛でる会に移行した。
このイーブイは甘え上手で、毛もふさふさふわふわで柔らかくて……
……と、いけないいけない。
とりあえず今はバッグの中身探りだ。
えー、中身は……
ハンカチ、
ポケモン図鑑っぽいの、
トレーナーカード(トレーナーの証？)っぽいの、
バッジケースっぽいのが何個か、
キズぐすり10個、
オレンの実、モモンの実5個、ラムのみ2個、
その他モンスターボール10……さっきイーブイに使ったから9個か。
このぐらいかな……結構入ってるな。
小説に良くありそうな
「トレーナーカード作成云々」とか、
「モンスターボールがねえ！」とか、
そういう面倒臭いのが無くてよかった……
……そうだ、そろそろ森の外に出ないといけないよね。
イーブイも待たせちゃってるし。
私はとりあえずイーブイをボールに戻して、どうしようか、と腕組みをして考える。
こういう時、東方の八雲紫の能力が使えたら便利なんだけどな。
そう思い、空間を裂くようなイメージで腕を動かす。
……そして、本当に裂けた。
「……え？」
混乱しつつ、“それ”をじっくり観察してみる。
中には大量の目、端のリボン、色合いも一致……
完全にあのスキマである。
少し不気味で入り辛いが、入ってみる。
そしてぼんやりとした目的地を思い浮かべる、今回は……近くの町にデンと出たら騒ぎになるかも？
それなら……“この森の付近”でどうだろう？
ぼんやりとイメージを浮かべながら、また空間を裂くように腕を動かし、顔を出す。
「……眩しいわね」
スキマの中という物は中々暗く、しばらく留まってたから外の光が眩しい。
光を腕で防ぎつつ、スキマからゆっくりと身体を出していく。
改めて前を見ると、そこは平原、そして後ろには森。
……どうやら、成功したみたい？
続く (更新停止中)
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作者名：ふりかけ | 作成日時：2018年8月5日 11時
