スキになったら負け！2【Hirano.S】 (ページ17)

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episode62 ページ17

sho side

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自分で仕掛けたくせに、

お湯の中で密着する柔らかい肌に、身体に

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なんとも言えない気持ちになって

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Aさんが甘えてきたのを良いことに

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「それ…誘ってるん？」

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なんて挑発してみたら

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「ちがうっ！！」とか言って怒ると思ったのに

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「…あ…」

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一瞬の隙を突かれて
Aさんの方から唇を寄せて来て

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…なに？

…どっかで練習したん？

いやいや、
そんな訳ない…はず…だけど

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今までにないくらい積極的に
攻め込んでくるから

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驚きと、
喜びと、

与えられる快楽に

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情けない声が漏れそうになる。

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「はっ…」

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唇が離れたら
慣れないことして息があがっちゃってるAさんが

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「のっ、のぼせた」

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なんて言って急に離れていこうとするから

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「出よっか」

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俺だってのぼせそうだからさ。

「…えっ、あ、ちょっ」

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しっとりと湿った体を
当たり前のように抱き上げて

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そのままずんずんと部屋の中に足を進めると

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Aさんをそっとベッドの上におろした。

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ろくに体も拭かずに来たから
ベッドシーツにポツポツとできるシミ。

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それでももう、

そんなことなんてどうでも良いくらいに

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「…我慢できない」

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もう限界はすぐそこ。

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恥ずかしいくらい
がっついちゃう俺に

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「しょおくんっ」

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一生懸命ついてこようとする健気な姿に

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「Aさんかわいい。すっげーかわいい」

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愛しさが止まらない。

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まだ夜になっていない、
電気をつけなくても明るい部屋の中

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「外…あかるい…」

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髪が乱れたAさんがエヘヘって笑う。

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ベッドに横になったまま
開放的な窓の外をぼんやり眺めて

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「ずっとこうしてたーい」

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溢れる本音。

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忙しすぎる毎日の中、

やっと訪れた小休止。

心も体も

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重たい荷物を下ろしたみたいに
するする軽くなる。

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俺に背中を向けて窓の方を眺めていたAさんが
ころんと寝返りを打つと

俺を見つめて微笑んで

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「紫耀くんお疲れ様。いつもありがとう。」

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おいで？って
手を開いてくれる。

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小さくて細い体で

精一杯の安らぎをくれる

こういう包容力があるところも

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全部、全部
だいすきだ。