スキになったら負け！【Hirano.S】 (ページ7)

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episode7 ページ7

SHO side

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出演していたドラマがクランクアップしたあの日、

沢山の花束を抱えてスタッフさんやキャストのみんなと訪れた居酒屋で

俺はAさんと出逢った。

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打ち上げも終盤になって、
テーブルの各所で静かに、でもアツイ会話が続いている中

運良く？俺の周りは、「そろそろお開きになるかな？」って空気になっていた。

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トイレに行こうと席を抜け
カウンターのそばを横切った時、

女の人が倒れてきて
条件反射でその体を支えた。

それがAさんだった。

厚手のコートを羽織っていたのに驚くくらい華奢で
相当お酒を飲んだのか
目は潤んで、顔は赤く

立たせるために触れた手はそれだけでわかるくらいに熱くて

なんだかすごく色っぽく思えた。

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トイレを済ませて
打ち上げの席に戻ると

数人が明日の仕事を言い訳に帰り始めていて

その波に乗って自分も再度席を立つ。

帰り際、
なんとなく気になって店員さんに

「さっきの女の人ってもう帰りましたよね？」

さっきの人のことを聞いてみる。

「終電で帰るーとか言ってたけど…」

俺が芸能人であることを知っている店員さんは
さっきの女性と俺に何か関係があるのか？とでも言いたそうに俺を見た。

「なんか、心配だな。結構酔ってましたよね？」

「かなり飲んでたからね」

あんなふらついた足取りで
転んでいないか、

たぶん俺より年上だったけど
若い女の人が一人でこんな時間に歩いて…

赤の他人なのに、
考えたら心配で仕方なくなって

店を出て、すぐ隣のパーキングで自分の車に乗り込むと

駅に続く大通りを
彼女を探して車を走らせる自分がいた。