スキになったら負け！【Hirano.S】 (ページ47)

今日:7 hit、昨日:12 hit、合計:264,591 hit

episode44 ページ47

・

「A？おーい」

・

いきなり食い入るようにテレビに釘付けになる私の顔の前に理央の手が現れる。

・

「あ、ごめん」

「何？ジャニーズとか好きだっけ？私が藤ヶ谷くんの話したって食いついても来なかったのに。」

・

・

違うよ違う！！
さっき話したイケメンくんがこの子なの！！

・

驚きのあまりそう言ってしまいそうになったけど

・

・
「いやっ、」

・

咄嗟にこれは言ってはいけないやつだ
そう思って

・

・

「んーん、違う違う！ほらあの子、あれで《しょう》って読むんだー！珍しー！と思って！」

・

画面に映るのは

こないだの大人っぽい私服とは違い
ザ・アイドルな衣装に身を包んでいるけど

こないだと同じように笑うとできる目の下のえくぼと
凛々しい眉毛、そしてまあるい瞳…

・

テロップで浮かぶ《平野紫耀》の文字に

LINEのアカウント名のshoしか知らなかった
彼の名前を知る。

・

「本当だー、芸名だったりするのかな？でも最近の子は難しい漢字も珍しくないし本名かなぁ」

・

・

理央の興味が上手いことそれてくれて助かった…

・

ホッとするのも束の間、

・

・

いや、私とんでもない人に出逢って、
しかも送ってもらっちゃってるじゃん！！

・

・

今度は唐突に押し寄せる
紫耀くんへの申し訳なさ…

・

というか、馴れ馴れしく紫耀くんって呼ぶのもダメかも。

・

・

LINEのトーク画面は
こないだ私が送ったフランクなメッセージで終わってて、

・

それももう日付は2週間も前だ…。

・

・

今更

「すみません
平野さんのこと今知りました。図々しく申し訳ありませんでした。
連絡先消してもらって結構です。」

・

なんて送るのも変だろうか。

・

・

でも現に向こうからメッセージが続いてきてるわけでもないし、

このまましれっと置いておいて
忘れたころにいつか連絡先を消せばいいか…

と考えてみたり。

・

・

彼とのトーク画面を開いたまま

あれやこれやと考えていたら

・

・

ーヴヴッ

・

・

・

スマホが震えて

sho今度の日曜日、午後あいてたりしませんか?

・

・

という信じられないメッセージ…

・

しかも、

速攻で既読つけちゃった…！！！！