好きな人には他に好きな人が居ます 2 (ページ7)

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056：分かり合えない共感ページ7

JF「なんか改めて聞かれると照れるなぁ…」

いつもは話したがるくせにこんな時に限って恥ずかしいと照れるジョンファンに、
私は「なんで先輩を好きになったの?」なんて質問をしてみた。

「やっぱり…綺麗だから?」

スヨン先輩は凄く綺麗でモテるって、私でも噂を聞いた事があるくらい校内でも有名な人。
だからそうかと思って聞いてみたけど、
自分から聞いたくせに私はジョンファンの顔を見れなくて
恥ずかしがってるからかジョンファンも私の方を見ようとしなくて、
2人で下を向きながら、歩くスピードが少しづつ遅くなっていく…

JF「うーん…
　確かに初めて先輩を見た時は僕もそう思った、
　凄く綺麗な人だなって。
　でも…それだけじゃなくて…
　なんて言っていいのか分からないけど、
　先輩の笑顔を見ると元気になれるんだ」

ジョンファンは照れながらもちゃんと考えて返事をくれるから
私もちゃんと話しを聞いてあげなきゃって思ってるのに
涙が出るのを堪えるのに必死で、軽く脳を霞めて行くだけの先輩の話し

JF「先輩が笑うと僕も笑顔になるし、
　先輩が大丈夫だって言えば
　本当に大丈夫なんだって思えるから不思議で…」

そう話すジョンファンは私が初めて見る顔をしていて、
頬をほんのり赤くして先輩の事を思いながら微笑んでいるのが分かる…恋、してる顔。

JF「なんで先輩なのかって聞かれたら
　自分でもよく分からないけど…
　でも先輩は他の人とは違うんだっ」

「…そっか」

何か言わなきゃって思ったけど、私にはその一言で精一杯だった。
それはやっぱり私達は考える事が同じなんだって分かったから…
だって、私もそう思ってる…
ジョンファンの笑顔を見ると私も自然と笑顔になるし
ジョンファンが言う事ならたとえ嘘でも私には本当だと思える、
なんでジョンファンなのか分からないけど、でもジョンファンじゃないとダメだって。
ほら…考えてる事は同じなのに、どうして分かり合えないんだろうね…

JF「Aにちゃんと話せてよかった!!
　ずっと聞いて欲しいと思ってたから」

「うん…私もちゃんと聞けて良かった」

JF「ありがとう、じゃあまたね!!」

分かれ道で精一杯の笑顔を振り絞って手を振り、
小さくなったジョンファンの後姿を見ながら溢れ出した涙。
聞かなきゃ良かったとは思わないけど、全てを聞くには早すぎたのかもしれない…

　