097：秋晴れの空 ページ48
しばらく列に並びやっと乗れたジェットコースター、
もちろんジョンファンの隣は先輩で、私の隣には顔を真っ青にしてるソヌ。
乗るならジョンファンの隣りが良いなんて、もうそんな期待はしない事にしたから文句は無い。
安全バーが下がり角度はどんどん上がって、目の前に見えるのは秋晴れの空だけ…
そしてここまで来て思い出した、私も絶叫系はあまり得意ではないことを
SN「あ"−…気持ち悪っ」
「ソヌ、本当は苦手だったんでしょ」
ヨロヨロしながらジェットコースターを降りるソヌに笑いながらそう言ってみたけど、
実は私も目を閉じて耐えるのに必死で余裕なんてなくて、
ソヌが怖がる顔を見てやろうと思ったのにそれどころじゃなかった
「嫌なら無理しなくて良かったのに」
SN「お前だって怖がってたじゃん」
「うん、苦手だって乗って気づいた」
SN「…どこまでバカなんだよ」
そんな私達のやりとりなんて全く聞こえてないみたいで
「楽しかったねー」なんて笑い合っている先輩とジョンファン。
それからも園内を回りながらいくつかの乗り物に乗ったけど
お化け屋敷に行った時のソヌのビビリようは腹がよじれるくらい笑ったし、
これで一生ソヌの弱みを握れたなって思ったくらい面白かった。
その後「これなら余裕」と威張るソヌに促されてコーヒーカップに乗ったら
今度は先輩が気分を悪くしてしまい、急いでベンチを見つけ先輩を座らせた私達
「大丈夫ですか?」
SY「うん、ごめんね…
回り過ぎて酔ったみたいで…」
苦笑いしながらベンチに座る先輩に「これどうぞ」と買ってきた冷たい水を差し出すジョンファン
SY「ありがとう」
SN「大丈夫ですか?」
SY「うん、少し休んでれば大丈夫だから
皆遊んで来ていいよ」
「そんな、置いて行けませんよ」
SY「でもせっかく来たのに悪いし、
気分良くなったら合流するから
3人で行ってきて?」
「…でも…」
JF「2人とも遊んできてよ」
「僕が先輩についてるからさ」なんて言うジョンファンの言葉に少し複雑な感情が芽生えたけど、
私達がここに居ても先輩が気を使うだけかと思い
「しばらくしたら戻ってくるね」と言い残し私とソヌはその場を離れた
「…どこ行く?」
SN「さぁ…Aはどこ行きたいんだよ」
「うーん…別に」
賑やかな人ごみの中を歩きながら、なんで遊園地に来たんだろうなんて
私は改めてそんな事を考えてしまっていた…
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作者名：のん | 作成日時：2016年5月17日 21時
